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2016/01/21(木曜) 17:18

民族性あるコンピュータ・ゲームの開発

民族性あるコンピュータ・ゲームの開発

1962年、当時アメリカ・マサチューセッツ工科大学の学生であったスティーブ・ラッセルは、人類史上初めてのコンピュータ・ゲーム「スペース・ウォー」を開発しました。このゲームは、バス1台ほどの大きさのあるコンピュータにより行われていました。その後、より画質やデザインに優れ、さらに進んだゲームの開発が拡大しています。最近の統計によりますと、市場には1日に平均して2つの新たなゲームが供給されており、こうしたゲームによる資金の回転率は毎年増大しています。


今回は、民族性のあるコンピュータ・ゲームの開発の必要性についてお話することにいたしましょう。
今日、携帯電話やスマートホン、タブレットをはじめとする先進デジタル機材の普及、そしてこうした機材の使用の低年齢化により、コンピュータ・ゲームが特別な位置づけを帯びています。現在、メディア産業においては、ゲームの利用はユーザーの娯楽目的のためのみならず、宣伝や教育、治療といったより真剣な目的のための機能が注目されています。
その一方で、コンピュータ・ゲームの利用はユーザーに深刻な弊害をもたらすこともあります。今や、コンピュータ・ゲームによる弊害の調査は急務ですが、それには家庭のほか、文化的な政策や決定に関わる責任者の注目も必要です。このため、技術、芸術、経済、文化、宗教、倫理、教育、心理学、社会学、そして健康医療の点からコンピュータ・ゲームを検討し、科学的にアプローチすることは、重要な成果をもたらすと考えられます。
教育や訓練、技術、経済、政治、文化、社会といった分野に対するコンピュータ・ゲームの影響は、決して否定できません。このことから、これらの分野における実践的、研究的なアプローチの拡大の必要性が高まっています。コンピュータ・ゲームによる社会や精神面での破壊的な影響については、開発者の政治的、信条面での価値観の刷り込み、電子ゲームへの依存症、女性の新たなアイデンティティの提示といった特別な文化的価値観の一部の伝播などが挙げられます。例えば、西側諸国のゲーム開発者は、女性を裸体や暴力と抱き合わせにして捉えており、彼女たちを道具のように利用しているのです。
政治や信条面での刷り込みという点においても、西側諸国で開発されたコンピュータ・ゲームは第3世界を侮辱しています。西側諸国の覇権主義路線に対抗する国々は、これらのゲームにおいてユーザーの攻撃の対象とされ、色々な方法によって滅ぼされてしまいます。さらに、これまでの事例から、西側諸国のコンピュータ・ゲームの開発者が提示し、吹き込もうとしている内容は、宗教的な概念における価値観の激しい動揺や、イスラム的なシンボルや価値観への攻撃であることが分かっています。

世界の一部の国は、コンピュータ・ゲームの各国の文化や価値観に合わせて段階分けするシステムを設けています。例えば、イランは2000万人以上のコンピュータ・ゲーム人口を抱え、またこの20年間でコンピュータ・ゲームが急速に普及していること、そして国内のコンピュータ・ゲームの開発者がゲーム市場への参入に注目していることから、この文化的な問題を真剣に考えている国の1つと言えます。
イランでは、ゲーム開発産業はまだ最近出てきたばかりの産業と見なされています、イラン国立コンピュータ・ゲーム財団の発表によれば、国内のゲーム開発企業の数は30に上り、これらの企業により開発されたゲームの数は150を超えるということです。今から7,8年前の時期には、宗教、精神医学、社会学、メディアの各チームという枠組みで、著名な専門家の協力により大規模な作業がスタートしました。ここでは、ESRAと呼ばれるコンピュータ・ゲームの段階分けシステムが立ち上げられています。これによると、コンピュータゲームはユーザーの使用年齢にそって、3歳以上、7歳以上、12歳以上、15歳以上、18歳以上、そして25歳以上の6つのグループに分けられています。
これについて、最近出版されたコンピュータ・ゲーム関連の書籍が挙げられます。それは、『コンピュータ・ゲーム空間の二分化に関する研究―コンピュータ・ゲームに対する各地域、信条的な価値観によるアプローチ』というタイトルの書籍です。これは、幼児、児童青少年の余暇時間におけるコンピュータ・ゲームの重要性と位置づけ、コンピュータ・ゲームの教育・訓練的な側面について説明し、民族的な文化に基づいてコンピュータ・ゲームを評価・格付けするシステムを立ち上げる目的で出版されました。この書籍は、イランにおけるコンピュータ・ゲームの分野で特に優れた書籍の1つであり、この分野における包括的なアプローチにより、すべてのレベルにおいて複数の研究に注目しています。そのため、この書籍は文化政策の分野で、コンピュータ・ゲームの開発者やユーザー向けに、さらには学問・大学用としても参考書として利用できます。
この書籍の序文には、次のように述べられています。
「コンピュータ・ゲームは、驚くべき可能性を秘めていること、そして教育や文化形成の分野などで発展を見せていることから、この分野の活動家や思想家の注目を集めている。この大いなる可能性がゆえに、コンピュータ・ゲームの開発者はこの分野に関する深い認識と理解が必要であり、形式と内容の間に意味ある適切な関係を作るための方法を知っておくべきである」
『コンピュータ・ゲーム空間の二分化に関する研究』は、5つの章で構成されており、それぞれの章では様々なレベルでのコンピュータ・ゲームに関する研究が述べられています。この書籍の執筆者であるサイード・レザー・アーメリー博士は、包括的な捉え方、そして信条的、地域的な捉え方にそったアプローチにより、世界レベルでのコンピューター・ゲーム空間に注目を寄せるとともに、これらのゲームの地域的な背景にも焦点を当てています。彼は、こうしたゲームに関する学説的な議論に注目する一方で、イランにおけるコンピュータ・ゲームの状況にもスポットを当てています。また、コンピュータ・ゲームを政治、文化、法律、経済、技術の点から分析した結果を提示しており、これはゲームの製造者や開発者も活用できるものです。
しかし、この書籍の最も優れた重要な特質は、信条的、地域的なアプローチであると思われます。この著作では、イスラムの叡智という体系にそって、コンピュータ・ゲームに必要とされる次の3つの要素を提示しています。その1つは、宗教や道徳の原則と世界観に基づいたものであること、次に集団社会の原則に基づいたプロセスを提示していること、そしてメディア、文化的な生産品と見なされる内容であることです。筆者は、これらの必要事項のそれぞれについて詳しく説明した後、この文化的な産物がイスラムの教えにそったものであるべきで、しかもイスラムの侵されざる領分が守られるべきだという結論を得ています。
専門家によるこうした調査によれば、この問題をより鋭い観点から正確に捉えることが必要であるとされています。イスラム的な価値観に沿った地域的な計画を立てることは、青少年が西側諸国による不適切なプログラムを歓迎しなくなるための重要な一歩です。さらに、子供を持つ親は、子供の年齢に相応しいコンピュータ・ゲームの選択、そして自宅外の行き来などについて、子供の様子をそれとなく遠くから見守ることにおいても、細心の注意を払う必要があります。
イスラムの文化には、時代の経過とともに宗教的、人間的なアイデンティティのシンボルや伝説となった英雄や主人公が数多く存在します。こうしたシンボルや伝説を活用することは、全てのイスラム諸国におけるコンピュータ・ゲームの製造開発を国内製のものにする上で、価値ある一歩となります。例えば、イランではこうしたゲーム開発技術が盛んになることで、芸術とも言えるこの一大産業が自らの文化を高め、他国に紹介するための貴重なチャンスになりつつあります。

この分野におけるイランのゲーム開発業者の努力は、確実に世界におけるイラン製のゲームの位置づけの向上にもつながるといえるでしょう。

 

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