このサイトは更新されていません。新サイトはこちらです。 Parstoday Japanese
2008/12/20(土曜) 04:02

29. ヒメウイキョウ

今回は、イランでは「ズィーレ」と呼ばれる香辛料のひとつ、ヒメウイキョウについてお話し致しましょう。ヒメウイキョウは、独特の香りと味を持ち、多くのイラン料理に使われています。

*****

ヒメウイキョウは、ヨーロッパの北部から中部、アジアや中東の温帯で生育します。ヒメウイキョウは土の多いところに生え、湿った光の少ない土地を好みます。イラン、ロシア、オランダ、ドイツで栽培されており、イラン南東部のケルマーンのヒメウイキョウは、独特の香りがあることで知られています。ヒメウイキョウは、イランの輸出品目のひとつに数えられています。

植物学的な特徴として、ヒメウイキョウは一年生の小さな草本植物で、最大でも80センチにしかなりません。綿毛はなく、まっすぐな茎を持ちます。根は紡錘形で、葉は細かなぎざぎざを持ち、明るい緑色となっています。春の終わりから、白やクリーム色の傘状の花が咲きます。この花は夏の終わりから秋にかけて、色が薄くなり、少し凸状に盛り上がった小さな細長い果実に変わります。ヒメウイキョウの使用部分は、この果実の部分で、非常に強い芳香を放ち、ピリッと辛い少し刺激のある味を持っています。

ヒメウイキョウは、連作によって、果実や色の異なった品種が収穫されています。例えば、緑のヒメウイキョウは、イラン中部や東部で多く栽培されており、黒色のものと似た特徴を持っています。ヒメウイキョウのエッセンスは、果実を潰し、蒸留させることで得られます。このエッセンスは無色透明ですが、置いておくと黄色から茶色へと変化します。このエッセンスを3、4滴たらした角砂糖は、食欲を増進し、胃の筋肉をほぐしたり、くる病の治療にも使用されます。

また、ヒメウイキョウは活力を与え、消化機能を強化し、膨満感を解消し、利尿、殺菌作用があり、けいれんや喘息に効果的です。その特性に注目し、消化器官の働きの低下、子供の腹痛、神経機能の低下など、さまざまな病気にも使用されています。

*****

ヒメウイキョウは独特の香りと味を持っているため、イラン南部をはじめとする中東、インドでは料理によく使われ、アジアでは広く知られた存在となっています。さらに、アフリカ北部、中国、インドネシアの料理にも欠かせない香辛料です。インドでは、カレーなどにこのヒメウイキョウを使います。子羊の肉や卵料理などの上にヒメウイキョウの粉末を振りかけると、料理の味わいが増します。焼いた鶏肉には、ヒメウイキョウとこしょうを一緒に振りかけてもよいでしょう。

インドでは、コリアンダーとヒメウイキョウの粉末を組み合わせた香辛料が用いられ、非常に香り高く、野菜、各種のスープ、ナンなどの上に振りかけます。一部の地域で、ヒメウイキョウは、煎じてお茶として飲まれています。また、お菓子に使用されたり、食事の後に、消化を助ける役目として食べられたりしています。

ヒメウイキョウを使用したリンゴのケーキは、消化を助けます。外用としては、ヒメウイキョウを煮出した水で顔を洗うと、顔色が明るくなり、透明感を与えると言われています。

多くのイラン料理にも、ヒメウイキョウは使われています。ご飯をイランのレシピに従って通常通り炊き、蒸している段階で、スプーン1杯から2杯のヒメウイキョウを加えれば、ヒメウイキョウご飯の出来上がりです。また、鶏肉のアーブグーシュトにも使われ、料理の香りと味わいを高めています。

イランでは、ナンにもヒメウイキョウが使われます。生地の段階でヒメウイキョウを混ぜるか、飾りとして、ナンの上に振りかけます。ケルマーン州など、一部の地域では、お菓子にも使われています。

*****

それでは、ヒメウイキョウを使ったイラン料理「ヒメウイキョウのアーシュ」のレシピをご紹介しましょう。

 

【ヒメウイキョウのアーシュのレシピ(7~8人分)】

<材料>

・骨付きの牛肉、または羊肉 ・・・1キロ

・イラン米(またはインディカ米、またはタイ米) ・・・4カップ(水に浸しておく)

・玉ねぎ ・・・1個

・黒ヒメウイキョウ ・・・スプーン2杯

・炒めた玉ねぎ ・・・大さじ2杯

・塩 ・・・少々

・こしょう・・・少々

 

<作り方>

①肉と玉ねぎ、塩少々、水1リットルを鍋に入れ、3時間火にかけます。

②肉から骨を取り除き、潰します。

③米とヒメウイキョウ、塩少々、水10カップ杯を別の鍋に入れて蒸します。30分~35分経ったら、米を鍋から上げて潰します。

④潰した肉を、肉汁と共に米の上に注いで、弱火にかけます。沸騰するまで中身をかき混ぜます。

⑤味を調え、適当な器に入れたら、炒めた玉ねぎで飾ります。これでヒメウイキョウのアーシュの完成です。

このカテゴリをもっと見る « 28. セロリ 30. ニンニク »

Add comment


Security code
Refresh