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2015/07/05(日曜) 22:31

ラマザーン月と共に(12)

ラマザーン月と共に(12)

ここ数年、ラマザーン月は暑い夏の時期となっています。まさにこのため、日が長く、暑いこと、のどの渇きやいくつかの理由で、断食を行うことが難しくなっています。確かにしばしば、人間が耐えた困難には、価値ある結果が伴います。これにより、暑い時期に断食を行うこと、つまりこの困難は行った人にとってよいものなのです。預言者ムハンマドは、「最高の行動とは、そのもっとも困難なものだ」と語っています。行動における困難がより大きなものになれば、その価値と報奨もより大きなものとなるのです。


深夜の礼拝と崇拝行為の中で生涯をすごし、最高の精神的な地位に到達したマリアことマルヤムは、「死後、現世で復活したいか」という息子である預言者イーサーの質問に対して、「復活したい、そして大変寒い夜に礼拝を行い、大変暑い日に断食をしたい。息子よ、来世の道は大変恐ろしいものなのです」と答えました。このマルヤムのような人の答えは、信徒にとって、口実にも、警告にもなり、現世でどのように来世の準備を行うかを知り、神から与えられた機会を完全な形で活用するよう指示しているのです。
預言者ムハンマドも、「神のために、空腹となり、のどの渇いているのはなんとすばらしいことか、彼らは来世に向かって進んでいるのであり、空腹やのどの渇きは感じないだろう」としています。
断食を行う人は、正しい食事計画により、一日のうちにのどの渇きをそれほど感じないようにすることができます。一日の断食が明けた後の食事から夜明け前の食事の間にコップ8杯から12杯の水を飲むことで、断食中のどの渇きに苦しむことが少なくなります。また、ラマザーン月ののどの渇きへの対策のひとつに、果物や野菜を多く摂るという方法があり、のどの渇きによいだけでなく、多くの繊維を含むために、食物の消化に時間がかかり、これによりすぐに空腹を感じることがなくなります。夜明け前の食事を食べた後、歯磨きを行う際に、のどや口の渇きを減らすため、歯磨き粉をあまり使わないほうがよいでしょう。また、日没後の食事を行う際には、新鮮なレモン果汁を入れた水や、薄めのお茶、ハーケシールと呼ばれるクジラグサの種を入れた飲み物をコーヒーや濃いお茶の変わりに飲むべきでしょう。
今から1400年前、現在のサウジアラビアに当たるヒジャーズ地方が無知に覆われていたころ、預言者ムハンマドは健康のために断食をするよう指示しました。さまざまな宗教においても、断食は心身の健康によいとされています。しかし、断食が体によいことは、1900年まで知られておらず、その後、研究者は断食の有用性に関して行われた多くの研究の中で、断食は肥満、癲癇、糖尿病などに効果があるという結論に達しました。
一方、興味深いのは、断食の有用性に関する研究はイスラム諸国だけで行われたわけではなく、大変多くの国々、特に欧米諸国でも、断食が医療的な方法として注目されていることです。スイス、ドイツ、イギリス、アメリカなどの国々では、断食による医療に関する包括的な研究が行われ、現在、一部の病院では断食による医療が注目されています。
あるロシアの医学博士は、病気の治療における断食の効果を知り、それを人々に対して薦めています。彼は次のように語っています。「体は断食をした際に、食物の代わりに体内物質を利用し、病気の原因となる体の中の老廃物や病原菌を消し去る。このように、断食は、すべての病気の回復の要因となり、体内を浄化する」
ラマザーン月は、個人的、社会的な道徳を改善する最高の機会です。もし信心深い人がこの月、自身の行動に留意し、道徳をしっかりと身につければ、ラマザーン月が終わっても、そのように行動することができます。道徳的な事柄のひとつは、人間としての権利の考慮です。この権利は人間が互いの関係の中で守るべき権利なのです。
この人権について、多くの事柄が示されています。生命と財産の尊重も、その人権のひとつで、これは、人間の生命や所有物に危害を加えないことを意味します。また、人格の尊重も、人権のひとつで、これは人間がほかの人々の人格を貶めるような行動を取ったり、尊厳を傷つけたりしてはならないことを意味しています。つまり、ほかの人の尊厳を貶めるような行動は控えるべきなのですまた、何も悪いことをしていない人に対する中傷やうそは控えるべきです。うそをつくことでその人は非難されることになります。また、ほかの人への誹謗やほかの人の秘密を暴露するのも控えるべきです。どのような場合でも人間は秘密を持っている可能性があり、それをほかの人に知られたくないと思っていることから、その秘密を暴露することはその人々の人格を損なう原因となるからです。
人間の相互の権利を尊重しないことは、人間に悪い影響を与えます。イスラムの伝承ハディースには、人間の相互の権利を守らないこと以外のすべての罪は悔い改めることで許される、とあります。つまり、他人の権利を侵害した場合、その権利を尊重するか、あるいはその人を満足させる方法以外に、その罪が許されることはありません。たとえ大変多くの日に断食を行ったり、一生夜通し礼拝をしても、その他人に対する抑圧行為の罪に何の影響も及ぼしません。人間の権利に対する抑圧の悪影響は、現世で災難や病気、生活苦などの形で現れます。実際、ほかの人々に対する抑圧や、人権の無視により、現世で苦むことになり、また来世でも神の責め苦にさいなまれることになるのです。
ハディースにはまた、殉教者の血の最初の1滴で、人権に関する罪以外のすべての罪が許されるとされており、これは、殉教という最高の行為によっても、ほかの人の権利に対する罪は許されないということを示しています。ラマザーン月は、人権を尊重し、ほかの人々の権利を踏みにじったり、個人や社会の安らぎを損なう行為を遠ざけるのに最適な機会です。預言者ムハンマドは、ラマザーン月について、「この月、誰でもほかの人に対する悪行をやめれば、神はその人と会う日に、その人に対する怒りを控えられる」と語っているのです。

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