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2015/07/11(土曜) 20:26

断食月・ラマザーン(1)

断食月・ラマザーン(1)

これまでの番組では、イランの一部地域に暮らす人々の風俗習慣についてお話しました。イスラム暦の断食月・ラマザーンは、イランの大衆文化において特別な地位を占めており、価値ある重要な月として知られていることから、イラン人の文化におけるこの月の慣習もまた重要性を帯びています。今回の番組では、ラマザーン月の儀式についてお話しすることにいたしましょう。

 

ラマザーン月は神に近づく月です。イスラム教徒は飲食を控えることで、神の御前での客人となり、自らを試練の中に置きます。この月は幾つかの点から重要性を帯びています。ラマザーン月には預言者ムハンマドにコーランが下されたとされるガドルの夜が存在します。またこの月は、シーア派初代イマームであり、また預言者の友、援助者であるアリーが殉教した月でもあります。さらに、エイデ・フェトルは世界のイスラム教徒の最大の祝祭であり、ラマザーン月が終わったシャッワール月1日に行われ。これはイスラム教徒にとって注目に値するものです、イラン人もまた、ラマザーン月に認められている重要性や価値の点から、一丸となってイスラム法の義務を行うための準備を進め、自らの責務をラマザーン月の特別な慣習と共に遂行します。

ラマザーン月の前の数日間、人々は興奮に沸き立ち、自己形成と罪の回避、そして神に近づく月であるラマザーン月を受け入れるために準備します。毎年ラマザーン月の前には、人々が家や町、村を清掃し、飾り付け、町の様子が一新します。イランの多くの町や村では新年を迎えるときのように家の大掃除が行われ、家の中にあるものすべてがきれいに清掃されます。また家の清掃にとどまらず、モスクや宗教施設、公共の場所もきれいにします。モスクや宗教施設の清掃には、とくに若者たちが参加し、この作業はご利益のある作業とみなされています。その後、モスクの床に絨毯を敷き、壁をコーランの節や宗教的な言葉がかかられた布で覆います。

ラマザーン月の前には、一部の家庭は豆類、米、乾物、ナツメヤシ、肉類といった必要なものを準備します。イラン北西部のウルミエでは、女性はラマザーン月の始まる2週間前から必要なものを用意し始めます。米粉を用意し、ナンやお菓子を作ります。

目に見える外側の準備ができたら、次は内面の準備を行います。イランのイスラム教徒は通常、多くがラマザーン月の3日前、あるいは前の月の最終日から断食を行います。一部の地域では、2ヶ月前のラジャブ月から断食を始めるところもあります。

ラジオやテレビなどのメディアが広まっていなかった昔、ラマザーン月の新月の報告の際には特別な儀式が行われていました。イランの多くの町や村では、人々がシャアバーン月の最後の夕方に、屋根の上やモスクの尖塔など高いところに上って、空に新月を探しました。聖職者や資格のある人が新月の観測を確認すると、ラマザーン月が開始され、人々は断食のための前段階を喜びを持って開始します。一部の地域では、ラマザーン月の開始の報告を礼拝の時刻を告げるモスクのモアッゼンが行うところもあります。これは新月が確認された後に行われます。いずれにせよ、ラマザーン月を迎えると、人々は神の御前で感謝と崇拝の念を表し、断食と礼拝によって神に近づこうとします。

ラマザーン月に行われる好ましい習慣の一つに、和解があり、不和を抱えていた人々の間の和解の機会が整えられます。もし互いに不和であったり、憎しみを心の中に抱いていれば、彼らの礼拝は神によって受け入れられない、とイスラム教徒は考えます。このため、仲の悪い人がいれば、両者の信頼の置ける人が仲介に入り、彼らを和解させます。さらに病気の人がいれば、ラマザーン月の数日前から、近所の住民が見舞いに行き、お見舞いの品を渡し、神にその回復を祈ります。

この他、ラマザーン月の前段階の慣習に、宗教関係者が都市を訪れ、宗教的な事柄について話すとともに、社会的な日常の問題を人々に知らせる、というものもあります。

昔からイラン人は、ラマザーン月の夜明けに目覚め、夜明けの正確な時間を見極め、夜明けの義務を遂行するために、様々な手段を用いてきました。これらの方法の一部は今日も用いられており、その一部は注目に値するものとなっています。

夜明けを見分けるために最もよく行われていた方法の一つが、星の位置を見ることでした。ヤズド、ケルマーン、ファールスなど、美しい星空で知られるイラン南部の砂漠地帯の多くの町では、経験を持った多くの人が空の星の位置から夜明けを判断します。またこの他、人々は夜明けに起きるために鶏の鳴き声を利用していました。さらに、太鼓やラッパなども用いられていました。とはいえ、今日も宗教的な都市であるシーア派8代目イマームレザーの聖廟があるマシュハドでは、夜明け前に、聖廟やモスクの尖塔から祈祷の声や太鼓の音が響き、人々は夜明けの礼拝と食事のために目覚めます。

砲弾がイランに入ってきた時代から、人々を夜明けに目覚めさせるために使われてきた手段の一つに、砲弾の発砲があります。しかしながら、今日、ラジオやテレビといったマスメディアの存在により、この問題は解消され、人々は容易に夜明けの時間を知ることができるようになりました。多くの人が、モスクからの祈祷の声で目覚め、宗教義務を遂行し、夜明け前の食事の準備を行います。ラマザーンに近所の人々を目覚めさせる習慣は長い歴史があり、現代では、夜明けに事前に打ち合わせて友人や知人が電話で起こしたりもしています。

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