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2015/02/24(火曜) 18:36

ユーソフ章(3)

ユーソフ章(3)

慈悲深く、慈愛あまねき、神の御名において
前回の番組では、コーラン第12章ユーソフ章ヨセフについてお話ししました。預言者ユーソフは、無実の罪で投獄されてしまいます。ユーソフはそこで、2人の若者と一緒になります。ある日、この2人の若者は、自分たちが見た夢についてユーソフに語り、その夢が何を意味しているのかを教えてほしいと言います。ユーソフは、純粋な神の僕だったために、多くの秘密を明かすことができるようになっていたため、彼らに唯一神信仰の真理を教えた後で、こういいました。「あなたたちのうちの一人は釈放され、主人のために酒をつぐ者になる。だがもう一人は、絞首刑になって、鳥たちに頭をついばまれるだろう」 それからユーソフは、釈放される方の若者に向かって言いました。「王様のところに行ったら、私のことを王様に話してほしい。私のことを調べて、無実が証明されるように」 若者は、しばらく後に釈放されました。しかし、ユーソフのことをすっかり忘れてしまいました。ユーソフは長年に渡って、忘れ去られた人のように牢獄にとどまり続けました。彼の牢獄での唯一の仕事は、自らを磨き、投獄された人々を指導し、病人を看病することでした。

このときから7年が過ぎました。ある夜、エジプトの為政者は、不安に駆られるような夢を見ました。そして、夢の解釈者や側近たちを呼んで言いました。

「私は夢で、7頭の太った牛が、7頭のやせた牛に食べられているのを見た。また穀物の7つの穂が緑色で、他の7つの穂が枯れているのを見た」

それから彼は言いました。「首長たちよ。私の夢について意見を述べてください。もしこの夢を解釈することができるならば」
為政者の側近たちは、それは混乱するような夢であって、そのような夢の意味を解釈することはできないと言いました。そのとき、酒を酌む若者が、ユーソフのことを思い出して言いました。「牢獄の片隅に、美徳に溢れた男性が暮らしている。彼は夢の意味を明らかにすることができる。私を彼のもとに送ってください」 こうしてこの男は、ユーソフのもとにやって来て言いました。「正直なユーソフよ。この夢についてどのように解釈しますか?」 それからエジプトの為政者がどのような夢を見たのかを、ユーソフに語って聞かせました。ユーソフは、為政者の夢を解釈して言いました。「7年間は続けて真剣に土地を耕しなさい。なぜならこの7年は、豊かな雨に恵まれるからだ。だが、収穫したものは穂のままで倉庫に蓄えておきなさい。食べるのに必要なわずかな量を除いては。その後は7年間、かんばつで不作に見舞われる。そのときには、以前に蓄えていたものの中から費やさなければならない。そうしなければ、あなたたちは滅びてしまうだろう。もし、このかんばつと不作の年を乗り越えれば、危機に脅かされることはない。その後は雨の多い年がやってきて、人々はこの天の恵みに授かることができる」

ユーソフのこの夢の解釈は、信頼できる正確なもので、かんばつに対処するための分かりやすい計画を有していました。そのため、エジプトの為政者とその側近たちは、この解釈に驚き、為政者はユーソフを自分のもとに呼び出しました。しかしユーソフは、自分が自由の身になるのは、将来、彼が罪を犯した人間として見られないように、彼の罪に関する調査が行われ、その無実が証明されたときだといいました。こうして会議が開かれ、ゾライハが自分の罪を認めて言いました。「今、真実が明らかになりました。私が彼を誘惑したのです」
こうして、ユーソフが正しかったこと、誠実であったことが、エジプトの人々に証明されました。為政者はユーソフを自分の顧問とし、様々な問題の解決においてユーソフに助けてもらうため、自分のもとに連れてくるようにと命じました。為政者は、ユーソフを一目見て、彼が豊かな知識と洞察力を有していることを悟りました。そして彼に言いました。「あなたは今日から、私たちの信頼を受け、高い地位を有することになる」 こうしてユーソフの提案により、エジプトの財政の責任がユーソフに委ねられることになりました。

以前予想されたように、豊かな雨が続き、7年間、エジプトの農業は豊作が続きました。エジプトの国庫と財政を担っていたユーソフは、食料を蓄えるための倉庫を作るように命じました。また、人々に対し、必要な量だけ作物を収穫し、残りを政府に売るように求めました。このようにして、倉庫は食料でいっぱいになりました。豊作の7年が過ぎ、かんばつがやってきました。人々は食料の不足に悩まされるようになりました。ユーソフは、きちんとした計画に従って、穀物を人々に売り、彼らの必要性を公平な形で満たしていました。

かんばつは、パレスチナやユーソフの出身地キャンアーンの周辺地域にまで及んでいました。そのため、ヤアクーブの子供たちは、穀物を買うためにエジプトに赴きました。穀物の分配方法を直接、監視していたユーソフは、客の中に兄弟たちの姿を認めました。しかし、兄弟たちは、ユーソフに気づいていませんでした。ユーソフは兄弟たちに親切にし、彼らの状況を尋ねました。彼らは言いました。「私たちはヤアクーブの10人の息子です。父のヤアクーブは、神の預言者イブラヒームの子孫です。でも、深い悲しみに沈んでいます。彼には、心から愛する息子がいましたが、ある日、私たちと一緒に荒野に狩りに出かけたとき、私たちが気づかない間に狼に食べられてしまったのです」

ユーソフは、どうにかして、自分の弟であるベンヤミンをエジプトの自分のもとに連れて来たいと思っていました。それで彼らに言いました。「今度、ここに来るときには、その兄弟をここに連れて来てください。もし彼を連れてこなければ、あなたたちに穀物を与えません」 ユーソフの指示により、召使たちがこっそりと、兄弟たちの荷物の中に、彼らが穀物を買う際に払った金をそっくりそのまま、戻しておきました。ヤアクーブの息子たちは、数日後、故郷の町に到着しました。エジプトの宰相の寛容さが口実となり、彼らは父親に、ベンヤミンを自分たちと一緒に連れて行くことを許してほしいと頼みました。兄弟たちが執拗に迫ったため、父のヤアクーブは仕方なく、ベンヤミンを連れて行くことに同意しました。彼らはベンヤミンを連れて、エジプトのユーソフの許に行きました。ユーソフは兄弟たちに敬意を示し、温かく迎えました。その後、彼らに悟られないように、弟のベンヤミンに言いました。「私はあなたの兄、ユーソフだ。悲しんではならない。彼らがすることに心を痛めないように」

ユーソフの指示により、政府の役人の一人が、こっそりとベンヤミンの荷物の中に、特別な杯をしのばせました。兄弟の一行が帰る準備を整えたとき、役人は兄弟に対し、宰相の金の杯を盗んだ疑いをかけ、彼らが出て行くのを許しませんでした。ユーソフの兄弟は言いました。「神に誓って。私たちは決して盗みを働いたことはありません」 役人たちは言いました。「もしもその杯が、あなたたちの荷物の中で見つかったら、その罰は何にしようか」 兄弟たちは言いました。「私たちのしきたりでは、盗みを働いた者は、奴隷として留め置かれます」 そのとき、他の人々の荷物が調べられ、それから特別な杯がベンヤミンの荷物の中から見つかりました。ベンヤミンの荷物の中に杯が見つかったとき、兄弟たちを悲しみと苦悩が襲いました。兄弟たちは恥ずかしそうに言いました。「もしベンヤミンが盗みを働いたのなら、それはありえないことではない。彼には、昔盗みをはたらいた兄がいたからだ」 ユーソフは、兄弟たちのそのような言葉を聞いて不愉快になりましたが、その気持ちを表には出しませんでした。兄弟たちは言いました。「エジプトの宰相よ。ベンヤミンには高齢の父親がいます。私たちの一人を彼の代わりにここに留め、ベンヤミンを私たちと一緒に行かせてください。私たちはあなたを善良な人と見ています」 ユーソフは言いました。「私は神に助けを求めます。杯を盗んだのではない人を留め置くようなことがあれば、私は圧制者になるでしょう」

兄弟たちが希望を失ったとき、一番上の兄がエジプトにとどまり、他の兄弟たちは、指示をあおぐために父親のもとに向かいました。息子たちはヤアクーブのところに帰ってきたとき、エジプトでの出来事をヤアクーブに話して聞かせました。父親は彼らの言葉を信じようとせずに言いました。「いや、それは違う。あなたたちは欲望に欺かれている。私は耐え忍ぶだろう。神が彼ら全てを私の許に返してくれることを祈る」 ユーソフを失った悲しみにより、目が見えなくなっていたヤアクーブは、息子たちに、エジプトに戻り、ユーソフとベンヤミンを探し、神の慈悲への希望を失わないよう求めました。兄弟たちは再び、エジプトに向かいました。そしてユーソフのもとに行き、寛大に彼らを助けてほしいと求めました。

ユーソフは言いいました。「あなたたちが無知で愚かだった頃、ユーソフとその弟に何をしたかを覚えているだろうか?」 ユーソフの顔は、兄弟たちにとって見覚えのあるものでした。それでも彼らは、ユーソフがエジプトの宰相の要職についていることが信じられませんでした。そのため、恐る恐る尋ねました。「あなたはあの、ユーソフではないですよね?」 ここでユーソフは、突然真実を明らかにし、言いました。「そう、私はあのユーソフで、彼は弟のベンヤミンです。神は恩恵によって、私を危険から救ってくださいました。これは、私の敬虔さと忍耐に対する神の報奨です」 兄弟たちは言いました。「神に誓って。神はあなたに、私たちよりも優れた地位を与えました。私たちはあなたに関して過ちを犯しました」 ユーソフは言いました。「今日、あなたたちは自分たちの行いのために非難されるのではない。私は神に、あなたたちの赦しと慈悲を祈る。神は寛容な人の中でも、最も寛容な方である」 それから、兄弟たちに対し、ユーソフのシャツを持って行き、父親の顔にかけると、父の目が見えるようになると言いました。ユーソフの兄弟たちは、大喜びで父親の許に戻りました。そして何よりもまず、ユーソフのシャツをヤアクーブの許に持って行き、それを父親の顔にかけました。すると、ヤアクーブの目が見えるようになりました。彼は言いました。「あなたたちに言わなかったか。私は神について、あなたたちが知らないことを知っていると」

ヤアクーブと息子たちは、ユーソフに会いに出かけました。ユーソフもまた、両親を温かく迎えました。こうしてとうとう、ヤアクーブの人生において最高のときが訪れ、何年も離れ離れになっていた末に、父と息子は再会しました。ユーソフは言いました。「エジプトの地に足を踏み入れれば、神の望みにより、完全な安全に包まれる」 そして、彼らがユーソフの宮殿に入ってくると、ユーソフは両親を王座につかせました。この大きな神の恩恵と慈悲は、彼らの心に大きな感銘を与え、誰もが神にひれ伏しました。そのときユーソフは、父親に向かって言いました。「これは、私が以前に見た夢であり、神がそれを現実のものとしたのです」

 

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