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2015/03/05(木曜) 00:02

庭師の老人と息子たち

庭師の老人と息子たち

コーランに出てくる真実の物語は、全ての人間や民の上に起こりうるものであり、私たちはそこから教訓を得る必要があります。神はコーラン第12章ユーソフ章ヨセフ、第111節で次のように語っています。「本当に、彼[、ユーソフ]の物語の中には、賢い者たちへの教訓がある」

 

朝のそよ風が吹く中、庭師の老人は、ゆっくりと自分の庭園に向かっていました。まだ太陽が完全に顔を出していない頃、彼は庭園に入りました。花や植物の匂いがただよってきます。背の高い木々や色とりどりの潅木が、老人を歓喜させていました。庭園の果実は熟し、小川にはすんだ水が流れていました。この庭園のいたるところでは、人々が木陰で休んでいます。老人は庭園の中を少し散歩した後、礼拝の場所に行き、神に祈りを捧げました。
「神よ、あなたに感謝します。あなたは私にこれほど豊かなお恵みを授けてくださいました。あなたは私が、恩知らずで命にそむく人間になるのを防いでくださいました」

老人は何年も前から、自分の庭園を恵まれない人々に自由に使わせ、そこで収穫された果実を、貧しい人々に与えていました。しかし、老人の息子たちは、そのような父親の行動に不満を抱いていました。息子の1人が言いました。「あなたは自分の財産をそのようにして貧しい人々に分け与えているが、それによって私たちの権利が損なわれている。実際、あなたは、私たちの取り分を制限している」
もう1人の息子が言いました。「もしそのような行動を続ければ、まもなく、あなたは全ての財産を失ってしまうでしょう。そして私たちも、他の人々に援助を求めなければならなくなってしまいます」

そのような息子たちに向かって、老人は言いました。「お前たちは間違っている。現世の財産は、他の人に出し惜しみをするほど価値のあるものだろうか? この庭園は、神が私に与えられた恩恵である。私はそれに感謝し、この恩恵を人々のために費やす必要がある。私の人生も、もう残り少ないだろう。お前たちに頼みがある。人々に施しをするのだ。神は施しをする者に報奨を与えてくださる。だがもし出し惜しみをすれば、神が忠告しているように、お前たちの財産は台無しになってしまうだろう」

それからしばらく後に、老人はこの世を去りました。夜、息子たちは急いで集まりました。息子の1人が言いました。「父は亡くなった。今後、あの庭は、貧しい人や恵まれない人々のためのものではなくなる。もはや庭の倉庫は、住む家のない人たちの寝場所でも、旅人たちが休むための場所でもなくなるだろう」 別の息子が言いました。「そうだ。あの庭にはたくさんの果実がある。それらの果実によって、私たちは皆、自分の権利を増やし、多くの利益を手にすることができるだろう」
そのとき、一番下の弟が、心配そうに言いました。「兄弟よ、あなたたちは、表面的には利益に見えても、実は、その中に、より大きな損害や悪を秘めているような行動に出ようとしている」 一番下の弟の言葉はまだ終わらないうちに、兄弟たちが騒ぎ始めました。「もう忠告は十分だ。お前の忠告など、聞いている暇はない」

夏も真っ盛りでした。老人の庭園は、いつもの年よりもたくさんの収穫がありました。貧しい人々は、大喜びで、果実を分けてもらいにやって来ました。しかし、それを見た老人の息子たちは、人々が目を覚まさないうちに、朝早く庭園に行き、果実を自分たちのために集めて売ってしまうことに決めました。コーランは、第68章アル・ガラム章筆、第17節から19節で次のように語っています。エ「我々は、その持ち主を試みたように、彼らを試した。彼らは誓いを立てた。早朝に果実を収穫し、その例外を設けることはなく、恵まれない人々に何かを残すことはないと」

早朝、老人の息子たちは庭園に着きました。すると彼らは驚いて互いにたずね合いました。「これが私たちの庭園か? 昨日までは、あんなにたくさんの、たわわな果実をつけた木々があり、小川が流れ、花々のいい香りがしていたというのに。そんな庭園を後にして、私たちは家に帰ったはずだ。この害虫にやられて荒廃した庭園が、私たちのあの庭園だとはとても思えない。どうやら、昨日、よく寝ていなかったために、私たちはまだきちんと目を覚ましておらず、道に迷ってしまったようだ」
すると、一番下の弟が言いました。「あなたたちは道に迷ったわけではありません。ここは、あなたたちの庭園です。だから言ったはずでしょう。なぜ神に感謝をしないのかと」

兄弟たちは、自分たちが貧しい人々から何かを取り上げる前に、自分たちが取り上げられてしまったことを悟りました。彼らは言いました。「ああ、なんということだ。私たちは神の命に反抗する人間だった」 それから彼らは、互いを非難しあって言いました。「今、私たちは神の御前で罪を悔い改めた。おそらく神は、この庭園よりも素晴らしいものを私たちに与えてくださるだろう。私たちは自分の神を頼り、信じている」 しかし、神の命が実行され、彼らには、後悔の念だけが残りました。そこで神は、独占欲の強い人々に次のように語りかけています。「現世の責め苦は、このようなものである。だが、来世の責め苦の方が、はるかに厳しいものとなるであろう」

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