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2015/04/08(水曜) 19:33

ユーヌスと自らの民(1)

ユーヌスと自らの民(1)

古代メソポタミア北部にあったアッシリアの都市、ニネヴェの町には、偶像崇拝が広まっていました。人々の心には、愛情や友情、思いやりというものが全く見られませんでした。大勢の人が集まり、ナツメヤシの木と自分たちが作った偶像の前に平伏していました。ユーヌスは、悲しみを心に抱きながらも、信仰に満ちた心で彼らに近づき、大きな声で言いました。

 

「人々よ。あなたたちの理性は、偶像などを崇拝するよりもずっと崇高なものであり、あなたたちの人格は、このような魂のないものに平伏すよりもずっと、価値のあるものである。そのことに気づきなさい。怠惰の眠りから目を覚ますのだ。この偉大な世界には唯一の神が存在する。その方と等しい位にあるものは存在しない。神の偉大なる本質こそ、唯一、崇拝に値するものである」

少しの間、沈黙が広がりました。人々が我に返る前に、再びユーヌスの声が辺りに響きました。

「神は私をあなたたちのもとに遣わされた。あなたたちを救いの道へと導くために」

ユーヌスの言葉が終わらないうちに、憤った人々が前に進み出て言いました。「あなたは何ということを言うのだ。これらは私たちの神であり、私たちの祖先が、長い間崇拝してきたものである。そして今、私たちもこれらを崇拝し、信仰している」
ユーヌスは断固とした口調で言いました。

「祖先を闇雲に模倣するのはやめ、自分の理性を迷信から解き放ちなさい。少し考えるのです。この偶像は、あなたたちの願いを叶えてくれるのか? あるいはあなたたちから悪を遠ざけてくれるだろうか?しかし唯一の神は、あなたたちに安全と安心を届けて下さる。力と見識を授け、あなたたちが様々な事柄を改め、救済を得ることができるようにしてくださるのだ」

そのとき、人々の中から一人の人物が立ち上がって言いました。「しかしあなたも私たちと同じように人間であり、私たちのうちの一人に過ぎません。私たちには、あなたに従うための、心の準備をすることができません。あなたが私たちよりも優れているわけではないのですから」
そのとき、誰かがユーヌスに向かって石を投げ、大きな声で言いました。「これ以上、そのようなことを言わないでほしい。私たちのことは放っておいてくれ。あなたが私たちに望むことは、私たちにとっては全く受け入れられないことだ」

フードの子孫であったユーヌスは、神の預言者の一人であり、母方の家系はイスラエルの民の出身でした。彼は40年間、自らの民の間で暮らし、人々を唯一神信仰へと導いていました。聖典コーランは、コーラン第37章サーファート章整列者で、彼らの数を10万人か、あるいはそれ以上だったと述べています。しかし、彼らはどうやら、全く聞く耳を持っていなかったようです。こうしてとうとう、ユーヌスは自分の民に向かってこう言いました。「もし私の導きを拒否するのであれば、あなたたちに厳しい責め苦が下り、あなたたちは皆、滅亡してしまうであろう」 しかし人々は言いました。「私たちはあなたの脅迫を恐れることもありません。もしあなたが本当のことを言っているのなら、私たちを怖がらせる、その責め苦とやらを、私たちに下してみればよい。あなたの神は、私たちの神々の前に、何の力も持っていない」

ユーヌスは、自分の民を導くことに失望し、このように考えました。「私はこの人々に対して、これ以上の責任はない。自分の責務はすでに果たした。今、この町を離れるべきだ」

ユーヌスが、まだニネヴェからそれほど遠ざかっていないうちに、神の責め苦のしるしが、その民の間に現れました。激しい嵐が起こり、辺りが真っ暗になりました。人々の間に恐怖と不安が広がりました。そのとき、人々の中にいた一人の賢い人物が、こう言いました。「これは、ユーヌスが私たちに警告していた、あの責め苦の前兆である。責め苦が下る前に罪を悔い改め、神に赦しを請うべきだ」
こうして人々は祈りを捧げました。彼らの叫びや赦しを請う声が、山や平原に響き渡りました。そして、慈悲深い神は、彼らの罪の悔悟を受け入れてくださり、責め苦のしるしは消えてなくなりました。

人々は信仰を寄せた後、ユーヌスが自分たちのもとに戻ってきて、神の預言者、使徒として、自分たちを導いてくれるよう願いました。しかし、神の命がなかったにも拘わらず、自分の民のもとを離れ、彼らを放り出してしまっていたユーヌスは、その後、ある出来事に遭遇していました。

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