このサイトは更新されていません。新サイトはこちらです。 Parstoday Japanese
2015/04/23(木曜) 12:56

ユーヌスと自らの民(2)

ユーヌスと自らの民(2)

ユーヌスは、背が高く、表情が明るく、鋭い目を持った人物として人々に知られていました。物腰が柔らかく、非常に明晰な話し方をしました。ユーヌスは、何年も前から、毎日、質素な自分の家から広場まで通い、石段の上に立って、人々に、唯一の神を信じるようにと呼びかけていました。その日、ユーヌスは、自分の民を唯一神信仰にいざなうことに失望し、疲れ果てていました。そのため、誰にも言わずに、そっと旅の支度をして、町の外へと向かいました。

彼は、しばらく長い道のりを歩いた後、海に着きました。そこでは、大勢の人が船に座って、出発の準備を整えていました。ユーヌスは尋ねました。「すみません。私にも、あなたたちと一緒に旅をさせてもらえないでしょうか?」

旅人たちは、ユーヌスの表情の中に、偉大さと高貴さを見たため、快く、彼を迎え入れました。こうして、船が少しずつ岸を離れ、沖に到着しました。すると突然、大きな嵐が起きました。船は恐ろしい荒波に巻き込まれました。

その頃、船乗りたちの間では、"罪を犯した人が船にいると、船は嵐に見舞われる"と考えられていました。そして、罪を犯した人を船から落とさなければならず、誰も自分の罪を認めようとしなかった場合には、くじ引きをして、そのくじを引き当てた人を、海に投げ落とすことになっていました。嵐はますますひどくなっていきました。そして、初めは、船を小さなゆりかごのようにしてあちらへ、こちらへと揺らしていた嵐は、だんだん、高い山のように次から次へと襲い掛かり、船はいまにも沈みそうになりました。船長が、船に乗っている人たちの名前を皮の上に記し、くじびきをするようにと叫びました。彼らもそれを実行し、くじを引きあてたのは、最後の旅人であったユーヌスでした。

船長は言いました。「ユーヌスとは誰か?」 神の預言者ユーヌスは、前に歩み出て言いました。「私です」 ユーヌスの精神性に溢れた清らかな表情を目にし、船長は疑いを抱いて言いました。「私たちは間違いを犯してはならない。そんなことをすれば、状況は悪化してしまう。くじ引きを3回行おう」 くじ引きのやり直しが行われましたが、再び、ユーヌスの名前が挙がりました。また3度目のくじ引きが行われましたが、そのときもまた、ユーヌスの名前が引かれ、一同は皆、驚いていました。

こうしてユーヌスは、仕方なく、海の中に投げ落とされることになりました。そのとき、大きな魚がユーヌスを飲み込んでしまいました。その魚はあっという間に波をくぐって、海の暗い奥底に消えていきました。気を失っていたユーヌスが意識を取り戻したとき、彼は自分が暗く狭い海の中に閉じ込められたことを知りました。彼は、神の命によって魚の腹の中で生き続けていましたが、彼の肉体は苦しみの中にありました。ユーヌスは苦痛と悲しみに包まれていました。ユーヌスは考えました。「これはきっと、私が人々を導く使命を怠り、神の命がくだらないうちに、民のもとを去ったことの結果に違いない」 ユーヌスはそのような苦しい状況の中で、神に助けを求め、暗い海の底で、嘆き、悲しみながら言いました。「神よ、あなた以外に神はいない。あなたは全く欠陥も誤りもない御方です。私は自分自身に圧制を行いました」

そのとき、神の慈悲の波が起こり、ユーヌスを、悲しみから解放しました。怪物のような魚は、ユーヌスを浅瀬に運び、そこで、自分の口の中から彼を外に放り出しました。ユーヌスの目は再び、昼間の光の明るさを認識し、怪我を負い、つかれきった足は、やっとのことで地面を感じていました。しかし、彼は、空腹に苛まれ、弱っていたため、動く力がありませんでした。そのとき、ユーヌスの横に潅木が生えてきました。ユーヌスは、その葉の陰に横になり、その木に成った果実を食べ、エネルギーを得ました。そして再び、神に感謝を捧げました。聖典コーランはこれについて、第37章サーッファート整列者、第143節と144節で次のように語っています。エ「ユーヌスが神を称賛する者の一人でなかったら、最後の審判の日まで、魚の腹の中に留まっていただろう」

古代メソポタミア北部にあったアッシリアの都市ニネヴェは、興奮と熱情に包まれていました。ユーヌスの民は、罪を悔い改めることにより、救済の道を歩み、神の責め苦を遠ざけました。大勢の人々が、町の広場に集まり、互いに言葉を交し合っていました。
「ユーヌスがここにいたら、どんなによかったことか。私たちを導いてくれていたらよかったのに」
「本当だ。でも、私たちは彼の本当の素晴らしさを理解することができなかった」

別の一人が言いました。「私たちは彼を苦しめて、彼の言葉を嘲笑するなんて、なんと愚かなことをしたのだろう」
すると、別の一人がその言葉をさえぎって言いました。「あそこを見てほしい。誰かが遠くからやってくる。あれは誰だろう?」
その人物がさらに近づいてきました。彼らのうちの一人が、大喜びで両手を広げながら言いました。「神に感謝しよう。ユーヌスだ。あなたの預言者だ」

人々は、ユーヌスを出迎えるために走りました。こうしてユーヌスは、自分の民のもとに戻って来ました。そして、再び、人々の導きにいそしみました。彼らは生涯、幸福な生活を送り、神の恩恵に授かることができました。

 

Add comment


Security code
Refresh