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2015/04/26(日曜) 20:58

西側がISISの消滅に真剣に取り組まない理由

西側がISISの消滅に真剣に取り組まない理由

今回のこの時間は、西側の政治家の間に、テロ組織ISISを消滅させるための真剣な意志が存在しない理由について見ていくことにいたしましょう。

 

これまで2回に渡り、昨年半ばにISISが急速に進軍し、恐ろしい犯罪を行うことによって人々の間に植え付けてきた恐怖についてお話ししました。また、西側政府がアメリカが主導する対ISIS有志連合に加わった理由についても触れました。この有志連合は、その結成当初から、果たして本当にISISに対抗する意志があるかどうかが強く疑われていました。

以前の番組の中で、ISISとアルカイダが、ワッハーブ派の思想によって生まれたものであることをお話ししました。その思想は、現在、サウジアラビアの統治政権であるサウード家の決定や思想の基盤となっています。サウジアラビアのサウード家とワッハーブ派は密接に結びついており、決して切り離せないものです。

アメリカ、サウジアラビア、トルコを中心とする西側とアラブ諸国は、4年前、シリアに危機を作り出し、アサド政権を転覆させるための連合を結成しました。ISISも、この連合の賜物であり、サウジアラビアとアメリカの大規模な支援を受けてイラクに作り出され、その後、シリアの政権転覆という西側とアラブ諸国の目的のために、このグループの作戦は、シリアへと拡大されました。

トルコとサウジアラビアは、テロとの戦いを主張する西側政府の政策に沿って、シリアのタクフィール主義のテロ組織への支援を惜しみませんでした。ISISを使った政策は、このグループの犯罪と恐ろしいイメージを植え付けることであり、それによって彼らは、シリアとイラクでの占領地を拡大しようとしました。このような政策は、このタクフィール主義のテロ組織の本質を、世界の世論、特に中東地域の人々の前に明らかにしました。

アメリカとヨーロッパや中東のその同盟国にとって、シリアの人々の自由追求を支持するという名目で、タクフィール主義のグループへの支援を公然と続けることは、不可能になっていました。そのため、アメリカとその同盟国は、ISISとの関わり方を変更することを余儀なくされました。アメリカが関わり方を変更したことを受け、その同盟諸国も、表面的にその政策を変更しました。しかし、トルコはその変更を受け入れず、いわゆる対ISIS連合に加わろうとはしませんでした。それはなぜでしょうか?トルコは、ISISに資金や武器が供与され、シリアやイラクのISISに加わるために世界各地から欺かれた人々がやって来るための通過点となっていたからです。

対ISIS有志連合が結成された目的について、強い疑いを抱かせる理由の一つは、トルコがこの連合に加わらなかったことでした。中には、「対ISIS有志連合は、ISISの拠点を何度も空爆したのだから、これは彼らが、真剣にISISに対抗しようとしていることを示している」と考える人がいるかもしれません。しかし、ISISをはじめとするタクフィール主義のテロ組織が、シリアとイラクで、サウジアラビアとトルコの代理として戦っていたときまで、彼らはそれによって、最低限の犠牲によって、地域で自分たちの目的を果たすことができると考えていました。ところが、シリアやイラクの人々のタクフィール主義グループに対する抵抗により、アメリカとその同盟国は、自分たちの目的を果たすことができなかったのです。

アメリカとその同盟国は、タクフィール主義のグループを通して自分たちの目的を実現することに失敗したため、直接、中東に介入し、今度は、シリアの人々の自由追求への支援ではなく、テロとの戦いを名目にすることで、中東への軍事介入を、自国の世論のために正当化しようとしました。アルゼンチンのフェルナンデス大統領は、昨年9月に国連総会で行った演説の中で、この西側の欺瞞的な政策を攻撃しました。フェルナンデス大統領は次のように語っています。

「我々は、昨年もここに集まり、あなた方は、シリアのアサド政権は独裁政権であると主張した。当時、あなた方はシリアの反体制派を支援していた。あなた方は、革命家を主張する反体制派を支援していたが、現在はどうしたことか。我々は再びここに集まっている。だが今度は、昨年まであなた方が支援していた革命家たちを弾圧するためである。ただし、今年、我々は、その革命家たちがテロリストであることを確信している。そのためあなた方は今、昨日まで革命家と呼ばれていたグループの多くが、実際は活発なテログループであること、彼らが過激派から、非常に過激的なグループに立場を変えたことを悟っているはずだ」

アルゼンチンの大統領は続けて、「ISISやアルカイダは、どこから武器を手に入れているのか?最近まで、自由を求める闘争家であった人々が、今はテロリストである」とし、アメリカ政府の政策を強く批判しました。

この発言は、今も世界には、誠意を持って、アメリカとその同盟国の目的を公の場で明らかにする政治家が存在することを示しています。しかし、西側のメディアでは、このような政治家の発言が報道されることはありません。

西側政府はこれまで、ISISとの闘争を、空爆に限定しようとしてきました。しかし、何度も空爆が行われたにも拘わらず、この攻撃はISISの戦闘力に大きなダメージを与えてはいません。それと共に、「ISISとの戦争は長期戦になる」とするアメリカ政府高官の発言は、西側政府のISISとの闘争における目的について、疑いを抱かせる根拠となっています。非常に強力な治安・諜報機関を持ち、声だけでテロリストを識別できる40もの国が集まった連合が、なぜ、資金や武器の供給源を断ち、その拠点を特定することによって、彼らを攻撃することができないのでしょうか?これについて答えるためには、アメリカがパキスタンでアルカイダの指導者、オサマ・ビン・ラディンをどのように特定し、彼を捉えて殺害する最終作戦の模様を、ホワイトハウスの人々にどのように生中継で伝えたかに注目するだけで十分でしょう。

西側政府が望めば、シリアとイラクのISISの通信網を崩すことは簡単です。しかし、現在、そのような動機は存在しません。なぜなら、彼らは今も、シリアで自分たちの目的を果たすことが出来ていないからです。彼らは、シリアの政権転覆という目的が失敗したにも拘わらず、なおも、シオニスト政権イスラエルとの闘争におけるイスラムの抵抗の流れを弱めるため、シリアの政権の交代について語っています。

ISISは、西側政府、トルコ、サウジアラビアの"シリアの政権転覆"という目的を達成させることができませんでした。彼らは今も、ISISに象徴されるテロとの戦いを口実に、シリアとイラクでの軍事作戦を正当化できると考え、それによって、自分たちの目的を果たそうとしています。アメリカとその同盟国は、そのために、ISISに深刻なダメージを与えて、その戦闘力を麻痺させようとはしていないのです。

対ISIS有志連合の真剣な意志を疑わせるもう一つの理由は、数年前から、タクフィール主義のテロ組織への対抗戦線にいた国々が、この有志連合に参加していないことです。イランは、シリアとイラクの政府、両国の国民の抵抗を軍事顧問としての立場から支援し、タクフィール主義のテロ組織の進軍を妨げ、多くの拠点からの撤退を余儀なくさせました。このような抵抗がなかったら、シリアとイラクは別の状況に陥っていたことでしょう。

アメリカとその同盟国は、イラクとシリアでの過ちを償うことを受け入れ、ISISとの闘争において誠実な目的を持っていれば、イランとシリアの政府に、対ISIS有志連合への参加を呼びかけていたはずです。しかし、彼らはそうしませんでした。なぜなら、彼らの真の目的は、ISISと戦うことではないからです。

対ISIS有志連合へのサウジアラビアの参加を、どうしたら信じられるでしょうか?ISISの思想は、ワッハーブ派を基盤としています。サウジアラビア人数千人が、ISISに加わっています。サウジアラビアの政権は、中東地域におけるアメリカの政策の実行者です。イランはそのような連合に参加することなどできません。もし参加が呼びかけられていたとしても、イランは、対ISIS有志連合の結成の本質を知っていたため、それに参加することはなかったでしょう。

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