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2015/05/12(火曜) 17:08

ソレイマーン預言者とサバーの王女

ソレイマーン預言者とサバーの王女

ソレイマーンは、神の預言者の一人で、すばらしい能力を持っていました。神は英知と栄誉をソレイマーンに与え、自然の要素は皆、彼の手の中にありました。ソレイマーンは、動物や鳥たちの言葉を理解し、動物や鳥たちもまた、ソレイマーンの王権の偉大さを知っていました。コーランは、預言者ソレイマーンの偉大さについて、非常に興味深い物語を語っています。サバーの王女、ベルゲイスがどのようにして信仰を寄せるようになったのか、それは、教訓に溢れた物語です。

 

ソレイマーンとその側近たちは、カアバ神殿の巡礼から、現在のシリア地方にあたるシャームへと戻る途中でした。彼らは乾いた灼熱の荒野にいたため、水を手に入れることができませんでした。ソレイマーンは、ヤツガシラを呼んで水を探してもらうことにしました。しかしヤツガシラの姿が見当たりません。ソレイマーンは尋ねました。「ヤツガシラの姿が見えないようだが?戻ってきて、きちんとした理由を説明できなかったら、痛めつけるか首を切ってやろう」

しばらくの時間が経ちました。ヤツガシラはずいぶんと遅くなってから戻って来ましたが、誰もあえて何かを言おうとしませんでした。ヤツガシラは、戻って来ると、ソレイマーンに叱られる前に言いました。「神の預言者よ、私はあることを突き止めました。あなたは知らないことです。あなたの力や知識も、それには及ばなかったようです。サバーという土地に、ベルゲイスという女王がいます。彼女はあらゆる恩恵を有しており、大きな王座を持っています。しかし、彼女とその土地の人々は、唯一の神の代わりに、その王座にひれ伏し、それを信仰しているのです。彼らは悪魔のしわざによって、自分たちの行いが美しく見えており、神の道から逸脱しています。そのために導かれていません」

ソレイマーンは、それを聞くと、驚いて言いました。「その話が正しいかどうかを調べてみることにしよう。それが事実であれば、そのベルゲイスという女王のところに私の書簡を持って行き、その返信をここに持ってくるのだ」

サバーの女王ベルゲイスは、威厳に満ちた態度で王座に座っていました。すると、突然、鳥が近づいてきて、彼女に向かって手紙を投げ落としました。ベルゲイスは驚いてそれを手に取り、開いて読んでみた後、しばらく考えに耽っていました。それから役人たちを呼んで言いました。「とても大切な手紙が私のもとに届けられました。それはソレイマーンという人物からのものです。慈悲深い神の名において、私よりも優れていると思ってはならない。おとなしく屈して、私の許に来るがよい、そう書いてあります」

ベルゲイスの軍の司令官たちはざわざわと騒ぎ出しました。一部の人々が言いました。「私たちは多くの富と権力を持っています。彼と戦うことができるでしょう」
また別の人々は言いました。「ベルゲイスよ、私たちはあなたを指導者に選んだのです。あなたにその力があると信じています。あなたが良いと思うことを実行してください」
ベルゲイスは深く考え込みました。「自分の権力や軍の力を誇るべきではない。今は、意地を張るのではなく、ソレイマーンを試すべきだ」
そこでベルゲイスは、側近たちに向かって言いました。「為政者というものがくじ引きで決められた場合、その国は腐敗し、愛する国民たちは卑しめられる。私は彼らの許に贈り物を届け、使いの者がどのような答えを運んで戻ってくるかを見てみようと思う」

それからまもなくして、ベルゲイスの使いの者が、たくさんの贈り物を持ってソレイマーンの許にやって来ました。ソレイマーンはそれらを目にすると言いました。「私を経済的に助けたいというのか。神から与えられたものは、あなたたちからの贈り物よりもずっと優れている。それなのにあなたたちは、この贈り物に満足している」 ソレイマーンはそう言うと、サバーの王女の使いの者に向かって言いました。「さあ、すぐに戻ってください。私たちも、あなたたちがとても太刀打ちできないような軍勢を、あなたたちの許に向かわせます」

ベルゲイスは、ソレイマーンが、自分のたくさんの贈り物を受け取らなかったことを聞くと、微笑みを浮かべて自分の側近たちを見つめました。使いの者たちは驚いて尋ねました。「あなたは一体何に満足しているのですか?」 ベルゲイスは言いました。「ソレイマーンが清らかで正直な人間だということが分かったことです。では、すぐに彼の許へと向かい、彼の新しい教えを学ぶことにしましょう」

ヤツガシラは、ベルゲイスがやってくることをソレイマーンに告げました。ソレイマーンは側近たちに向かって言いました。「ベルゲイスは賢くて鋭い女性のようだ。神から与えられた力を彼女の示し、私が預言者であることを彼女に知ってもらう必要がある。彼女がここに到着する前に、彼女の統治の壮麗さを示す大きな王座を、彼女の宮殿からここに持ってくることができるのは誰か?」 すると、神の書物の知識を持つ高官の一人が言いました。「瞬きをする間に、私がその王座をここに持ってきましょう」

ソレイマーンは、王座が運ばれると、神にひれ伏し、言いました。「これは私の主からの慈悲である。私が恩恵に感謝をする者なのか、それとも感謝を忘れる者なのかを試されるためのもの。誰でも神に感謝すれば、それは自分のためになる」
それからソレイマーンは言いました。「ベルゲイスの王座の形を変え、それが逸脱する人々のものであることを、彼女が気づくかどうかを確かめてみよう」

ベルゲイスとその側近たちが到着しました。彼女たちは、ソレイマーンの宮廷の壮麗さに驚いていました。ソレイマーンはベルゲイスに尋ねました。「これはあなたの王座ですか?」 ベルゲイスは驚いたまま、言いました。「はい、それはどうやら私の王座のようです」 ソレイマーンは、ベルゲイスをガラスの宮殿へと案内しました。ベルゲイスはその中に入る際、水の上を歩けるようにと思い、はだしになりました。ソレイマーンは言いました。「それは水ではありません。ガラスでできた透明の建物です」 そのとき、ベルゲイスは怠惰から目覚め、神の偉大さを悟り、言いました。ベルゲイスは、王座が自分で勝手に移動したのではなく、誰かがソレイマーンの許に移動させたものであることを悟りました。「私は自分自身に圧制を加え、誤った信仰を持っていました。しかし今、ソレイマーンと共に、世界の創造主である神に服従します」

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