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2015/11/23(月曜) 19:51

預言者ダーヴードの物語

預言者ダーヴードの物語

聖典コーランには、多くの物語が語られています。神はそのようにして、人間を過ちや暗闇から救いだし、忠告を与えることで導こうとしています。コーランの一部の物語には、読み手を引き付けるための前置きがあります。例えば、コーラン第38章サード章の第17節から20節では、預言者ダーヴードのことが紹介されています。

彼は英知に溢れた預言者で、高い地位にありました。彼の物語の中では、神の命によって鉄が柔らかくなるという逸話が紹介されています。第21節は、読み手に向かって、一つの興味深い出来事を聞くよう奨励しています。それは敵対する2人の兄弟の物語です。

ダーヴードは、礼拝を行っていました。両手を広げ、静かに涙を流し、こう言っていました。
「主よ、私に美徳と知識を与えてくださったあなたに感謝します。あなたは私に英知を授けてくださいました。神よ、私が人々を誤った道から救うことができるよう、私をお助けください」

ダーヴードは、我に返ったとき、誰かが近づいてくる気配を感じました。彼は驚きました。すべての扉は締まっていて、誰もそこに入ってくることはできなかったからです。ダーヴードが振り返ると、突然、2人の人間の姿が目に入りました。ダーヴードの表情に恐怖の色が浮かびました。2人のうちの一人が前に進み出て言いました。「怖がることはありません。私たち2人は互いに敵対している人間です。二人とも、相手から圧制を受けたと思っています」 もう一人が言いました。「そうです。神の預言者よ、さあ、私たちの間を調停してください。そして私たちを正しい道に導いてください」

ダーヴードは立ち上がり、彼らに近づいて行き、言いました。「何があったのですか?」
兄弟のうちの一人が言いました。「ダーヴードよ、彼は私の兄です。彼は99頭の羊を持っており、私が持っている羊は、たった1頭です。私の兄弟は、その1頭をもくれと言うのです。私が反対すると、様々な理由を述べ、私を説得しようとするのです。さあ、教えてください。私はたった1頭の羊を彼にあげなければならないのでしょうか?」
そのとき、兄が弟の言葉をさえぎって言いました。「私は正しいことを言っている。もしあなたがその1頭の羊を私にくれれば、私の羊の数は完全なものになる」

ダーヴードは、そのような過剰な要求に驚き、その理由を尋ねる前に、こういいました。「あなたの兄は、そのような言葉によってあなたに圧制を行っています。信仰を寄せ、善い行いをする人を除いては、多くの仲間たちが、互いに相手に対して圧制を行っています。そして、信仰を寄せ、善い行いをする人たちは、非常に少数です」
兄弟は、信じられない様子で互いに顔を見合わせました。ダーヴードもそこで黙って考えこみました。兄弟のうちの一人が尋ねました。「どうかなさったのですか?」
ダーヴードは答えました。「私は調停の域を超えて、性急な判断を下してしまいました」
ダーヴードはそう言うと、再び深く考えこんでしまい、2人の兄弟がその場を去っていったことにさえ、気づきませんでした。

ダーヴードは我に返ったとき、辺りを見回しましたが、そこには誰もいませんでした。そうして、こう考えました。「あの2人は神の天使たちだったのだ。私を試すためにここにやって来たのだろう。ああ、私は調停において優れた力を持っており、常に公正に判断を下すというのに、今回はなぜ、あれほど性急な判断を下してしまったのだろう。その1頭の羊も、もしかしたら、99頭の羊を持つ兄のものだったのかもしれないというのに」
ダーヴードは、地面に腰を下ろし、純粋な心で神にひれ伏すと、自分の性急な行いを後悔しました。そこで、神に罪の赦しを求め、言いました。「神よ、あなたはこのようにして私を教育し、私が自分の行いの前には何もできないことに警告を与えられました。私をお許しください。そしてこれまでどおり、私を助けてください」

この物語の終わりであるコーラン第38章サード章第26節には、次のようにあります。
エ「ダーヴードよ、我々はあなたを地上の代理人とした。だから、人々の間を正しく調停し、私情に従ってはならない。それはあなたを神の道から逸脱させるだろう。神の道を外れた人々は、それによって清算の日を忘れたために、厳しい責め苦に遭うであろう」

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