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2015/12/29(火曜) 23:19

世界に必要とされるイスラムの預言者ムハンマド

世界に必要とされるイスラムの預言者ムハンマド

今から1400年前ほど前の世界は、乾ききった大地が恵みの雨を求めるごとく、ある人物が出現し、地上から飢え渇きや暗雲を取り払ってくれることを待ち焦がれていました。当時の世界は、誤った信条やこだわりが蔓延り、迷信という泥沼と化していたのです。慈悲深い神の思し召しにより、忘れえぬあの運命の夜、ついに神は恵みの雨を降らせ、乾ききった大地を潤しました。そして、アラビア半島のヒジャーズ地方には、ムハンマドという花が開いたのです。彼の生誕こそは、その出現を待ちわびていた人々に、信仰心という香しい香りをもたらし、叡智という泉を沸き立たせたのでした。


そう、預言者ムハンマドの生誕により、無明や偏った思想がはびこる砂漠は、思想と慈愛のあふれる果樹園と化したのです。かの神の預言者は、聖地メッカ、そして神を崇める信心深い家庭において、イスラム暦ラビーオルアッワル月17日に生誕し、その聖なる存在により創造世界を照らしました。今回は、預言者ムハンマドの生誕記念日にちなみ、この偉人が現代世界の精神的な危機の打開に及ぼしている影響についてお話することにいたしましょう。

偉大なる預言者ムハンマドの生誕は、このかけがえのない宝物が人類の生活にもたらす、無限の恩恵を思い起こさせます。この偉人は、魂の抜けた人々の生活空間に、春のそよ風のように神の唯一性という芳香を漂わせ、人々を啓発し、目覚めさせました。それから間もなく、部族たちの盲目的な従属や無意味な信条、人々の偏った思想は、博愛主義や平等、人間性にとって代えられ、創造世界の真理や神の叡智への扉が、世界の人々に向かって開かれたのです。このため、預言者ムハンマドの生誕による最大の恩恵は、人類社会に一神教信仰と正義がもたらされたことだと言えるのではないでしょうか。
預言者ムハンマドの尽力により、イスラム初期には崇高な原則と基準を有する偉大な変革が起こりました。彼の起こした革命の主要な柱は、社会的な差別の撤廃、倫理面での変革、人間としての尊厳の尊重、自由と正義だったのです。預言者ムハンマドが現在のサウジアラビアの町メディナに滞在した10年間は、人類の歴史上における統治時代で最も輝かしい時代でした。それはまさに、イスラム体制の基盤が打ち立てられ、時代や地理的な国境を越えて通用する、神の預言者による宗教に基づいた統治の模範が作られ、提示された時代だったのです。

実際、預言者の起こした革命とその統治体制は、完全の極致を目指す人間にとってのロードマップであり、最も明白で最高の慣習に従うことにより、自らが導かれることを求めています。預言者ムハンマドは、メディナの町において、明確な指標を伴った自らの模範体制を築き、人類に示したのでした。ドイツのイスラム学者、アンネマリー・シンメルは、預言者ムハンマドの偉業について、次のように述べています。
「人類の精神的な変革に、預言者ムハンマドが明白な役割を果たしたことは周知の事実である。彼は、肉体ではなく、人間的な精神を蘇らせたのである。また、人間の思考を無明のくびきから解放し、これを世界に通じるものに仕上げた。この偉人は、目や耳、知識や聡明さの適切な活用を一般に普及させ、人間が太陽や月、天空や大地をも征服できる、という神からの吉報をもたらしたのである。このため、全人類にとってこのような慈悲深く偉大な先駆者を賞賛することで、偉大なる幸運がもたらされた」

現代世界の現実からは、過去のどの時代よりも本当の幸せや安らぎが失われていることが見て取れます。日々拡大する大量破壊兵器の生産、覇権主義や人種差別による戦争、世界市場の不安定化、これらは世界の安全や平穏を脅かしています。現在すでに、西側諸国の支配者たちは、我が物顔に力ずくで各国の国民を虐げ、彼らの財産を略奪しています。また、世界の未来を深刻な危機に直面させているのは、家庭の基盤の揺らぎ、ストレスやうつ病、犯罪や暴力、麻薬、人身売買といった現象です。現代の世界では、人類の著しい進歩や科学の発展が見られる一方で、各国の国民に対する侵略や暴虐も行われています。
危機に瀕した現代の世界は、安らぎや安全、倫理的に賞賛される美徳を取り戻すために神の教えを必要としています。それは、神が最後の預言者ムハンマドを通じて人類に提示した教えです。イギリスの作家ジョージ・バーナード・ショーは、これについて次のように述べています。
「現代の世界は、複雑な問題の解決のために、それこそ落ち着いてコーヒーの一杯でも飲めるような安らぎを得るため、預言者ムハンマドのような人物を必要としている。現在、ヨーロッパは預言者ムハンマドの理知的な哲学の普及伝播を開始しており、イスラムに好意を持ち始めている。それらの国は、そのようなイスラムの信条や思想を、中世時代の人々が持っていた疑いから晴らすと思われる。また、イスラムは平和と幸福に基づいて打ち立てられた体制・システムということになり、その哲学は複雑な問題を解決する源になるだろう」

預言者ムハンマドは、神の最後の預言者として、神からのメッセージと啓示をもたらし、物質的な豊かさや安全とともに、精神的な安らぎを得られる概念を人類に教示しています。精神的な安らぎは、現代人が強く必要としているものです。預言者ムハンマドは、ある概念について語り、コーランも人類に一連の事柄を奨励していますが、現代人がもしこれらの事柄に耳を傾ければ、確実に新たなストレスや懸念を払拭できるはずなのです。
貞節さや清らかさ、足るを知る心、禁欲さ、恥じらい、神により頼むこと、他人への支援、忍耐強さ、寛大な心で人を赦すこと、他人の尊重、平和と友好、圧制者との戦い、抑圧された人々への支援、任意の寄付、性格のよさ、自由な思想、公明正大さ、倫理的な尊厳、これらの事柄は預言者ムハンマドの善良な言動の側面であり、コーランの教えでもあります。現代の人々は、世界を支配する経済、政治、文化的な条件のために、こうした重要な概念からかなり遠ざかってしまっています。
コーラン第7章、アル・アアラーフ章、「高壁」、第157節によれば、預言者ムハンマドは人類の重荷を肩から下ろすために現世に使わされたとされています。人間性にとってのくびきとなっていたのは無明、文明のなさ、部族主義、横柄さでした。科学技術が発展し、人類が大きな進歩を遂げた現代ですらも、他国の国民に対する暴虐や侵略は後を絶ちません。物質主義が押し付けられ、生活環境から精神性が排除されてしまったことこそ、人類が背負っている重荷であり、これを軽くするには、神の預言者の教えが必要です。そして、その中で最も優れているのが、預言者ムハンマドの教えなのです。
シーア派初代イマーム・アリーは、次のように述べています。
「預言者ムハンマドは、神から選ばれた存在であるとともに、慈しみの使徒、そして神の全権大使である。誠に、あなた方にとっては、ムハンマドを指導者にすえるだけで十分である。最も清らかな人物である預言者に従うがよい。なぜなら、彼を模倣使用とする人々にとっては、彼の持つ習慣や進路こそが模範だからである。神に最も愛される僕とは、その預言者を模範に据え、彼の歩んだ道を歩む者である」
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、預言者ムハンマドの生誕記念日を、人類の歴史にとって、神の慈しみの筆頭とみなしており、次のように述べています。
「コーランでは、預言者の存在は全世界の人々にとっての慈しみとされている。この慈しみは、限られたものではなく、人間の教育や育成、自己浄化が含まれ、そして彼らが生活の物的、精神的な側面の双方において進歩するための直接の道でもある。それは決して、イスラム当時の人々だけのものではなく、全ての時代の人々のためにある。その目的にいたる道は、人類のために明示されたイスラムの掟や叡智を実行することである」

このように、現代の人々がイスラムの息吹を与える教えや精神性を必要としていることから、宗教指導者やその上層部の関係者に対しては、次のことが期待されます。それは預言者ムハンマドの行状やコーランの教えを、現代の世界に向かって再びアピールし、人々を宗教的な本質に立ち返らせ、この崇高で人間的な概念に親しむことで、彼らに物質的、精神的な進歩を伴う新たな生命を吹き込み、神からかけ離れたことによる恐ろしい凋落から彼らを救うことです。預言者ムハンマドという模範が私たちの生活に定着すれば、神をより頼み崇める心、彼の誠実さや勇敢さ、規律正しさや恥じらい、清らかさが私たちの生活全般を変貌させ、輝かせることになるのです。

 

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