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2015/12/30(水曜) 23:08

アメリカのサンバーナディーノでのテロ事件

アメリカのサンバーナディーノでのテロ事件

今回の番組では、アメリカのサンバーナディーノでのテロ事件と、こうした犯罪がイスラム教徒に関連付けられていることについてお話しすることにいたしましょう。

 

 

アメリカの軍人エドウッド・D・シャーリーズは、まさか77歳の誕生日をカンザス州の軍用刑務所のGRCF施設のベッドの上で過ごすとは思ってもいませんでした。その2日前、2時間の散策の許可をもらって刑務所を出た際に、転んで右足を二箇所骨折しました。外科手術を終えた後、彼は回復するまでこの刑務所の診療施設で過ごしていました。

 

GRCFはアメリカのカンザス州のリーベンワースにある軍事施設の敷地内に建てられた拘留施設です。リーベンワースは軍事的に信用のある学術機関であるため、アメリカ軍の学術施設として知られていました。シャーリーズは法学博士であり、この軍事アカデミーで教職に従事していました。そして今、このアカデミーの近くにある刑務所で日々を過ごしています。このアカデミーに入った新入生までもが、この法律家の軍人がアメリカの軍の学校で人権講座を創設したことを知っていました。

 

何年もシャーリーズはアメリカが国連と共同で行っていた平和維持活動を率いてきました。アメリカ軍はこの軍人の数々の学術論文を自国の誇りだとしていましたが、彼がアフガニスタンやイラクへのアメリカの軍事介入を批判し、この二カ国におけるアメリカ軍による人権侵害を非難し始めると、状況は一変しました。複数の法廷でのアメリカ軍に対するシャーリーズの非難と証言の増加、最終的には複数の文書の暴露により、この軍人は軍事法廷で訴えられ、後にGRCFの施設に送られました。この施設でシャーリーズの孤独を癒してくれるのは、多くの場合、テレビでした。

 

日曜日はGRCFが収監者の面会のために定めた日です。日曜日は、シャーリーズのベッドの周りには複数の軍人が集まっていました。彼との面会に来た5人の軍事高官は、この刑務所の近くの軍事アカデミーで教えていました。サンバーナディーノのテロ事件はシャーリーズや彼の生徒たちであったこれらの軍人の話題に上っていました、これらの軍人たちは、アメリカのイスラム教徒に対する厳しい対応を望み、それをテロリスト育成の流れを阻止するためのアプローチと見なしていました。77歳の軍人は、この意見に黙っていました。彼は、「世界各地のアメリカの刑務所に関する報告を作成するよう軍から任務を受けていた」と語り始めました。

 

シャーリーズの470ページの報告書には、ヨーロッパやアジア、中東の複数の刑務所を彼が視察した結果が記されていました。新聞記者がイラクのアブーゴライブ刑務所の拷問や人権侵害の悲劇的状況を明らかにする前、シャーリーズは、自らの報告でその事実をアメリカ軍の幹部に提示していました。この報告は、アフガニスタンのバグラム刑務所と、テロ容疑者への対応方法について、メディアで報道されているもの以上の悲劇的な側面を示していました。シャーリーズはアメリカ上院の公聴会議で説明するために呼び出されると、他国にあるアメリカの管理下の刑務所をテロ養成の場所として紹介しました。実際、これらの刑務所での非人道的行動や激しい拷問は、人々の中に憎悪を植え付け、この刑務所から釈放された容疑者を潜在的なテロリストにしています。シャーリーズはこのように述べています。「これらの軍事高官がイスラム教徒を潜在的なテロリストで、彼らの社会がテロリストを養成していると考えているなんて信じられない」

 

シャーリーズのベッドの周囲は誰もいなくなりました。彼以外に病人が寝ていない刑務所の治療施設では時間がゆっくりと過ぎていきます。シャーリーズはノートパソコンを開きました。インターネットのニュースサイトはテレビチャンネルと同様、今もサンバーナディーノのテロ事件とこの事件を理由にして提示されたトランプ氏のセンセーショナルな発言について伝えていました。彼はサンバーナディーノの殺人事件に対するニュースサイトの読者の反応に注目しました。コメント欄には、アメリカのイスラム教徒に対する様々な中傷が見られました。そこにはイスラム教徒はテロリスト、暴力主義、過激派、時にアメリカ国民のお荷物だと書かれていました。イスラム教徒のアメリカへの入国を阻止するためのトランプ氏の計画を支持する者もいれば、アメリカに住むイスラム教徒を追い出すよう求める者もいました。

 

サンバーナディーノの犠牲者の報道の中で、イスラム教徒に対する暴力の拡大についてのニュースは見られません。その中で、アメリカイスラム関係評議会は、パキスタン人の夫婦が施設の祝祭行事を銃撃した12月8日から、アメリカの警察当局に少なくとも63件のイスラム教徒に対する脅迫、攻撃、中傷が記録されていることを伝えています。この間、アメリカの上院議員でイスラム教徒のアンドレ・カーソンは、死を脅迫する書簡を受け取りました。シャーリーズの顔には遺憾の表情が浮かびました。彼は常に自分の生徒たちに、この国の治安の安定の要因と強みとしてアメリカが様々な人種、民族、宗教を有していることを挙げていました。このため、彼はテロ対策に関する軍の特別委員会のメンバーに任命されたとき、アメリカの民族や宗教のグループへの制限の行使に反対していました。

 

シャーリーズは、軍の反テロ委員会の代表として上院の公聴会に最後に招かれたときのことを思い出しました。彼はその公聴会で、「テロリストが勝利するのは我々が彼らの悪のシナリオを自発的に実行するときだ」と述べました。これらのグループは、民族や宗教の間に憎しみや緊張を生じさせることで、各国の国内の安定を奪い、宗教的、民族的な緊張、そして暴力によって、自らが力を握る道を整えようとしています。インターネットサイトやニュースチャンネルは、宗教に対する憎しみと嫌悪であふれていると考えるシャーリーズは、このようにつぶやきました。「テロリストがこれほど成功するなんて信じられない」

 

シャーリーズの診察を行っているハサン・マーリーク医師は、二日前に、シャーリーズの外科手術を行いました。二人はファーストネームで呼び合う仲で、アメリカ軍の医師であるマーリーク医師は、ウエストポイントの士官学校で、シャーリーズの生徒でした。マーリーク医師はパキスタン人の両親からアメリカで生まれた敬虔なイスラム教徒です。現在彼は恩師の治療に専念しています。

 

治療施設のテレビは、アメリカ大統領選挙の共和党の有力候補者で、億万長者のドナルド・トランプ氏の発言を伝えていました。トランプ氏は、サンバーナディーノのテロ事件について指摘していました。トランプ氏は、アメリカの大統領に就任した際には、イスラム教徒のモスクを本格的に管理下に置くと強調しています。アメリカ人のシャーリーズとパキスタン系アメリカ人のマーリーク医師は、トランプ氏の発言に同じ反応を示しました。彼らはどちらも嘲笑的な笑みを浮かべていました。シャーリーズは医師に向かって言います。「今日、テレビではこの事件の女性負傷者について報道していましたね」。バングラデシュのイスラム教徒の女性は、6発の銃弾を浴び、重症を負いました。この女性は宗教的な行為を行うために、モスクに行きました。サンバーナディーノ事件の容疑者である女性とその夫ももまたしばらく前からこのモスクに通っていました。

 

シャーリーズは言います。「このイスラム教徒のうち、一人はテロ攻撃を行い、もう一人はテロの犠牲者だった。この政治家が、無頓着にも、過激派を作りだし、強化した要因のすべてを崇拝の場であるモスクに結びつけるなんて、私には信じられない」

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