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2016/01/06(水曜) 22:59

欧米諸国の一般の若者たちに向けて(7)

欧米諸国の一般の若者たちに向けて(7)

最高指導者ハーメネイー師が欧米の若者たちに送った書簡は、この1年で最高指導者が欧米の若者たちに送った二通目の書簡で、その中ではイスラムや現代世界における西側のイスラム教徒への対応に関して直接言及されています。

 

ハーメネイー師はこの書簡の中で、テロを西側とイスラム世界の共通の問題だとし、テロに対する西側のダブルスタンダード、テロを良いものと悪いものに区別していることが、テロの元凶であり、治安を確立するためにはまず、西側の暴力を生み出す思想を改めることだと強調しました。

西側のメディアは、大規模なプロパガンダの中で、イスラムの思想をテロに結び付けようとしています。これらのメディアは現代世界の遺憾な状況における西側の関与については触れていません。この中で、最高指導者は、西側の若者に宛てた書簡の中でこのように述べています。

「なぜヨーロッパで生まれ、その環境の中で思想や精神を養った人々が、このようなグループにひきつけられるのかと問うべきだろう。戦場に1,2度行った人々が突然過激になり、同胞に銃弾を浴びせるということが信じられるだろうか?暴力にまみれた環境の中で、長い間不健全な文化の養分を吸ってきた影響を絶対に忘れるべきではない。これに関して包括的な分析を行うべきだ。その分析は、社会の明らかになっている、また隠れた汚れを見出すものだ。おそらく産業的、経済的発展の中で、不平等や、時に法的、構造的な差別を受けて西側社会の一部の人々の中に植えつけられた深い憎悪は、精神的な問題を作り出し、それらは時に病的な形で現れる」

統計が示しているように、ISISのテロリストは世界90カ国以上の出身者であり、その中で、ベルギー、フランス、スイス、イタリア、オーストリア、スウェーデン、ドイツが目立っています。一部では、ISISに加盟するヨーロッパ人は3000人、また一部では数万人とも見積もられています。少し前に、フランスの新聞ル・フィガロは、ISISのテロリストの少なくとも3分の1がヨーロッパの出身者だとしていました。

アナリストは若者たちがISISにひきつけられる様々な理由を挙げています。一部では、報酬にひかれて、経済的に困窮している若者たちがISISに加入しているといわれています。しかし、西側からISISに加わる多くの若者が、物質的に恵まれた生活をしており、その一部はより恵まれた状況を捨てて、ISISに加入しているのです。このため、この問題を詳しく分析していく必要があるでしょう。

西側がイスラムについて有している理解は完全なものではありません。西側でイスラムに傾倒している人々の多くが、イスラム教やその人間的な価値観について表面的な知識しか持っていません。彼らは多くが、サウジアラビアによって、西側に広められたワッハーブ派に関する書物の多くを読んでいます。ワッハーブ派はタクフィール主義という過激な思想に基づいており、イスラムでは逸脱した宗派であり、イギリスやアメリカの支援を受け、イスラムが出現してから数百年後に形作られ、イスラムの各宗派に批判されています。しかしながら、この逸脱した思想は現在、イスラム世界の歴史的な中心地、つまりメッカを支配し、イスラムの姿、言葉として知られています。

サウジアラビアのプロパガンダと西側の政府、とくにアメリカがサウード政権に対して行っている支援により、西側のイスラム教徒や新たにイスラム教徒になった人々の一部は、イスラムの正しい価値観を完全に認識していません。タクフィール主義のグループは、こうした無知を利用し、ジハードや殉教といったイスラムの貴重な価値観を彼らにとって都合の良いように解釈しています。

欧米に住むイスラム教徒は常に少数派です。これらの少数派はほかの市民と同等の地位を有していません。長年世俗主義や政教分離が優勢となってきたことが、宗教的価値を低め、宗教的な徴が軽視されていました。西側での宗教回避とそれに続く宗教排斥が、近代化の必要性として知られるようになり、イスラム教徒の少数派はこうした中で差別や精神的な圧力を受けていたのです。

こうして他の文化に対する西側の侮辱的で優越的な対応は、西側の文化に対する非合理的で激しい反応の可能性を生じさせました。このため、西側からISISに加わっている若者一部は激しい復讐心を持っています。とはいえ、こうした非合理的な対応は宗教に端を発しているのではなく、テロリストが持つ一種の精神的問題とみなすことができます。

西側の若者たちをISISに引き付けるこの他の重要な要素に、西側独自の文化があります。西側で生まれ、西側の教育体制の下で、西側のライフスタイルで生活してきた若者は、現在、冷酷なテログループに加わるために、物質的に恵まれた状況を放棄しています。ISISの暴力的犯罪は、健全な教育を受けた人間によって行われることではありません。人間はどんな信条を持とうと、良心を持っていれば罪のない乳児の首を切ったり、人間を生きたまま焼き殺すなどという行為はできないはずです。とはいえ、こうした犯罪は連日のように、ISISによって行われています。問題は、このような人物の教育的背景を根本的に探ってみる必要があるということです。正しい教育を受けた人間が、戦闘地に行っただけで、殺人者になることがありうるのでしょうか?これは非常に短絡的分析といえるでしょう。

西側の文化で知られている2つの特徴といえば、暴力と性的な堕落でしょう。西側の思想家は数十年前から、こうした二つの特徴の破壊的な影響に警告を発し、策を講じようとしてきました。しかしながら、道徳的衰退は物質主義や個人主義の避けられない結果であり、この二つは西側の衰退に向かう文明思想の基盤となっています。ISISは最新の兵器、一対一の戦い、前例のない暴力を示すことで、過激派を煽っています。西側文化の象徴であるハリウッド映画は、何年も前から、観客を、暴力とセックスを好む方向に向かわせ、ISISは実際、こうした文化に飼いならされた心理的ニーズに実際に応えるものなのです。

制限のない暴力の傍らで、ISISは楽園と永遠の幸福という偽りの約束によって、多くの女性たちを性的に利用するため、自らに従わせています。これに加えて、戦場で捕虜になる女性たちの多くも、性的な奴隷となっています。偽りのイスラムを吹聴しているISISは、性的な関係に関するイスラムのすべての価値観を侵害し、性的なビジネスを行っています。このテログループは結婚のジハードを称して、多くの女性たちを引き付けようとしているのです。

西側の世界は、物質主義に沈み、精神性を軽視しているために、大きな危機に直面しています。西側の若者たちはこの危機を逃れるために偽りの宗教に向かっています。フランスの人類学者の研究は、西側の若者たちがISISなどのテログループに加わろうとするのは、思想的、社会的な拠り所がなく、当惑しているためだということを示しています。こうした空白は、かつて西側の若者たちを魅了していた西洋の大哲学者の思想やイデオロギー、つまりマルクス主義や自由主義に端を発しています。

若者たちはこうした状況の中で、どこかに帰属し、価値のある大きなことを行っていると感じられるよう、こうした空白を埋めることのできる場所や思想を追い求めています。彼らはこれにより、世界で重要な役割を果たしていると信じるグループに自らを結びつけています。西側の世俗主義は、庭づくりのような小さな作業も人生を豊かにすることができると言っていましたが、人間はその気質上、大きな目標を追い求め、それがなければ平穏を感じることはないでしょう。ISISはこうした空白、つまり西側の人生の意味という問題に付け込み、楽園や永遠の幸福、世界的な政府の樹立といったものを約束して、西側の若者たちの目の前に蜃気楼を作り出し、彼らを引き付けているのです。

今夜の番組では、正しいイスラムへの理解の欠如、他の文化に対する西側の差別や軽視に対する復讐心、アイデンティティクライシス、また西側の文化における道徳的退廃や暴力の普及、これらが西側の若者を日々、ISISなどのテログループに引き付けている要因の一部だということをお話ししました。

このように、テロとの戦いのために必要なのは、その文化的根源を正しく理解し、西側の若者たち自身が注目を寄せるよう努力することです。

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