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2016/01/13(水曜) 23:24

欧米諸国の一般の若者たちに向けて(8)

欧米諸国の一般の若者たちに向けて(8)

最高指導者のハーメネイー師は、欧米の若者たちに宛てた書簡の中で、西側のテロリズムの根源を探り、性急な反応がテロとの戦いにおける最大の過ちの一つだとしています。ハーメネイー師は欧米のイスラム教徒の社会における現在の亀裂の拡大、社会の孤立や恐怖、混乱の発生、彼らの基本的権利のはく奪、そして表面的な措置を合法化することで、現在のブロック化を拡大し、将来の危機の道を開くこと、これらが性急な反応の結果であるとしています。ハーメネイー師はこのように述べています。

 

「テロとの戦いにおいて大きな過ちは性急な反応であり、それは現在の亀裂を拡大するだろう。数百万人の活動的で責任ある人々で構成されるヨーロッパやアメリカに住むムスリム社会を、孤立、あるいは恐怖や動揺の中に置き、これまで以上に、彼らの基本的な権利を奪い、社会の中心から外すようなあらゆる性急で感情的な動きは、問題を解決するどころか、溝を深め、わだかまりを広めるだろう。表面的かつ反動的な措置は、とくにもし合法性を見出すなら、現在のブロック化を拡大し、将来の危機に道を開く以外はないだろう」

残念ながらここ数年、西側諸国では、イスラム教徒に対する差別的な対応やそうした法律に関する数々の報告が提示されています。アメリカ同時多発テロ後、極右の政治家や過激なキリスト教徒やユダヤ教徒、そしてイスラム教徒の移民に反対する政党、さらに一部メディアは、表現の自由の名のもと、好戦的なイスラム教徒の少数派がとった行動を大多数のイスラム教徒が行ったことのように見なし、政治や宗教の過激主義やイスラム恐怖症を広めるための状況を生じさせました。

実際、9.11同時多発テロは、西側の指導者に、テロとの戦いを名目に、イスラム恐怖症やイスラム排斥を西側諸国に広める口実を与えました。この中で、西側の映画製作者やメディアも、西側社会ひいては世界に、イスラムは暴力的でテロリストを育てる宗教だと刷り込もうとしました。

そのあとから、世界の多くの国でイスラム教徒が経済、社会、文化、政治、軍事的な危機を引き起こした筆頭にあげられました。こうした計画された流れにより、イスラム教徒の移民は世俗主義の国の第2級市民とみなされるようになり、最低限の人権も保障されていません。こうした中、人種や民族、宗教の嫌悪は、市民的及び政治的権利に関する国際規約の第2条20項で禁じられています。この条項には、「差別や敵対、武力を煽るような国民、あるいは民族、あるいは宗教的な嫌悪を奨励することは禁じられた法となる」とあります。

自由、民主主義、人権を提唱する国で宗教の信者、特にイスラム教徒の宗教的な自由が組織的に犯されていることは、国際的に熟考に値する問題です。こうした中、ピューリサーチセンターは2015年、イスラム教徒の人口が増加していると報告しています。このセンターの予測によれば、2050年までにイスラム教徒はアメリカで二番目に大きな宗教マジョリティになるということです。さらに、ヨーロッパのイスラム教徒の人口は、2010年までに4300万人になり、これはそれまでの二倍の数だということです。このセンターは、イスラム教徒の数は2050年にはヨーロッパの人口の10%以上を占め、7100万人になると予想しています。

この統計の一方で、ヨーロッパ在住のイスラム教徒に対する差別により、彼らはその宗教を理由に教育や職業、よりよい生活の機会を奪われています。西側諸国におけるイスラム恐怖症の拡大により、イスラム教徒への差別が広まっています。世論調査会社ギャラップの2015年の報告によれば、西側諸国のイスラム教徒の多くが、自分たちは軽視されていると述べています。さらにアメリカ人の54%、カナダ人の48%が西側諸国ではイスラム教徒が敬意をもって対応されていないと述べています。この世論調査によれば、イスラム教徒の80%が西側諸国で、コーランやその他の宗教的な象徴を侵さないよう求めています。さらにイスラム教徒の60%も西側諸国でほかの市民と同じようにイスラム教徒に対応することを求めています。

この報告によりますと、フランスやイギリスでは、イスラム教徒への敬意ある対応が減っているということです。国連人権理事会は政治的及び市民的権利に関する国際規約に関して、8回目の定期報告を2015年に発表し、イギリスでの人種差別や外国人恐怖症の拡大を指摘し、「同理事会はこの国のメディアやインターネットサイトにおける人種差別や外国人恐怖症の拡大、さらにイスラム教徒やアフリカ人に対する嫌悪を引き起こす内容の書物や記事の提示に関して、深い憂慮を表明する」としています。

イギリスの新聞インディペンデントは、今年、イギリスのイスラム教徒の生徒が同級生からいじめを受ける件数が増加し、政府がこの問題を解決できないでいることを認めています。この報告ではさらに、イスラム教徒の生徒はイギリスの学校で、肉体的な、または言葉による攻撃を受けているとしています。

2015年、ヨーロッパにおける学校やモスク、イスラム施設、墓地、さらにはイスラム教徒の市民に対する過激派グループの意図的な攻撃や放火、破壊行為などに関する数々の報告が提示されています。統計によれば、イスラム恐怖症により、ヨーロッパ人の多くがイスラム教徒に対して肯定的な見方を持てなくなっています。調査によれば、イスラム教徒の隣人を有するフランス、ドイツ、イギリス人の16%から21%が不満を抱えています。

フランスのイスラム恐怖症対策協会も報告の中で、「2015年の上半期、イスラムとイスラム教徒に反する行動は、2014年の同時期と比べて23.5%増加した」としました。この協会の声明では、この期間、イスラム教徒に対する物理的な暴力や中傷、不敬行為が増加している、とされています。

ヨーロッパでのイスラム排斥の拡大と同時に、アメリカでもこの流れが広まっています。雑誌エコノミストがある研究所との協力により行った世論調査では、アメリカのイスラム教徒の73%が多くの差別に直面していることが明らかになっています。さらに、ヒューマンライツウォッチとコロンビア大学の人権研究所は、今年、アメリカのテロ対策作戦に関する報告を提示しました。

この報告では、司法省と連邦研究所はテロ対策の名のもと、イスラム教徒の宗教・民族的アイデンティティを攻撃している、とされています。「合衆国におけるテロ裁判における人権侵害と公正の疑惑」と題する24ページの報告の中では連邦警察が追及している27のテロ事例が検討されています。この報告は、ヒューマンライツウォッチのワシントン支局の話として、「これらの人物の多くが一切罪を犯していない」としています。この報告は、アメリカのテロ対策作戦は宗教と国籍に基づく対応により人道問題を引き起こしているという結論に達しています。

一方、ギャラップによる調査では、アメリカの過激なイスラム教徒のテロ行為は、同国で起こっている無数の暴力行為の1%に過ぎないことが示されています。この報告によれば、過激派イスラム教徒によって行われているテロ攻撃は、アメリカで行われているほかの暴力攻撃以上にメディアによって報道されているということです。

人間を殺害したり暴力を振るったりすることは、下劣な行為であり、天啓の宗教はどれひとつとして、人間の殺害を許していません。イスラムも、罪のない一人の人間の殺害は人類全体に対する殺害と同じであるとしています。明らかに、このような宗教と自らをイスラムと関連付けるテロリストの行為とは一切の共通性はありません。このため殺人が下劣な行為であるというなら、イスラム教徒非イスラム教徒のテロの間に違いをつけるべきではないのです。

しかしながら、アメリカ政府の行動はこうしたことに反しています。2015年2月、ノースカロライナ州で人種差別の過激派が銃撃事件を起こし3人のイスラム教徒の学生が死亡した際、アメリカの責任者からどのような表明が聞かれたでしょうか。一方で、ISISの支持者といわれている二人の移民がカリフォルニア州のサンバーナディーノの障害者施設を銃撃した後、大統領選挙の共和党有力候補のトランプ氏は声明の中でイスラム教徒のアメリカ入国禁止を要請しました。彼は、「わが国が人間の生命を尊重せず知性のない人々の恐ろしい攻撃の犠牲になるのを許すことはできない」と表明しています。

最高指導者は西側のイスラム教徒に対する非友好的で差別的な行為に遺憾の意を表し、このように述べています。

「一部のヨーロッパ諸国では市民をイスラム教徒に対する諜報活動に向かわせる法が制定されていると聞く。こうした行動は圧制的なもので、すべての人が圧制は、好む好まざるとに関わらず、自らに返ってくる性質があることを知っている。その上、イスラム教徒はこのような恩知らずな対応を受けるべきではない。西の世界は数百年前から、イスラム教徒を良く知っている。西側の人々はイスラムの地で客人となったとき、主人の富に目をつけ、次に相手を受け入れ、イスラム教徒の業績と思想を享受したとき、多くの場合、イスラム教徒から親切と忍耐以外のものを目にしなかった」

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