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2013/06/23(日曜) 18:33

イランのW杯出場を祝って(音声)

イランのW杯出場を祝って(音声)

来年、ブラジルで開催されるサッカーのワールドカップ・アジア最終予選が幕を閉じ、アジアから出場する4チームが決定しました。まだアジア最後の1チームを決めるプレーオフの戦いが残っていますが、何はともあれ、日本と共に、イランもワールドカップへの出場権を獲得することができました。まずは、ここまでのイランの戦いを簡単に振り返ってまいりましょう。

 

アジア最終予選、イランは、韓国、ウズベキスタン、カタール、レバノンと同じ組に入りました。2012年の前半戦、イランは、ウズベキスタンとの戦いで0対1と黒星スタートを喫します。続くカタール戦も0対0の引き分けに終わりました。そこで期待の高まった第3戦は、ホームで韓国を相手に1対0で勝利し、何とか望みをつなげます。しかし、11月、ホームで臨んだウズベキスタン戦に、またも1対0と敗れてしまいました。これにより、イランは残りの試合、負けることの許されない苦しい立場に置かれてしまいます。

最終戦が後半に入った今年、2013年、イランは6月の3連戦で3勝という快挙を成し遂げました。まず、アウェイのカタール戦に1対0で勝利すると、続くレバノンとの対戦では、4対0とゴールを量産しました。そして、最終節の試合で引き分け以上になれば、ワールドカップ出場が決まる、という状況での韓国との対戦です。この時点で、韓国、ウズベキスタン、イランのどのチームにも、まだ出場の可能性が残されているという接戦になりました。

さて、韓国戦の前には、日本のメディアでも伝えられていたので、ご存知の方も多いかもしれません。韓国とイランの間で、ピッチの外での言葉の応酬がありました。それは、韓国の監督による挑発的な発言に端を発するものでした。その後、韓国の監督は記者会見で、イランの記者が、「FIFA国際サッカー連盟のフェアプレイの規定に反して、なぜ試合前に挑発的な発言を行ったのか」と質問したのに対し、「イランのケイロス監督と代表チームについて私が語ったことについて、私の言葉がメディアでどのように取り上げられたのかは知らない。ただイランに勝って、最高の形で予選を終えたいと、今はそれだけを考えている」と語りました。

韓国との試合前、記者会見でイランのケイロス監督は次のような談話を残しています。「韓国と共にワールドカップに出場できることを祈っている。私はこれまで、日本、アメリカ、スペイン、南アフリカ、イギリスで、33年間、サッカーに携わってきたが、今回、韓国の選手が、イランの選手に対して語ったとされる、"血の涙"、あるいは"報復"といった言葉は、一度も耳にしたことがなかった。報復という言葉に対しては、サッカーを通して答えを返すのみ。それが私の知る唯一の方法である。私たちは韓国と争うためにここにいるのではなく、ワールドカップ出場を祝うためにここに来た」

こうして臨むことになった最終節、韓国との試合は、イランでも注目を集めました。「韓国から色々言われたので、必ず勝って欲しい」と、サッカーファンの期待も高まりました。前半は韓国が主導権を握り、イランはほとんど何もさせてもらえない状態でした。後半に入り、14分、相手のミスから、イランのフォワードの新星、グーチャンネジャード選手がボールを奪い、そのまま絶妙なタイミングでボールをゴールネットに突き刺します。イランはこの1点を何とか守りきり、勝利を飾ってグループ首位でのワールドカップ出場を決めました。

試合終了後、イランのケイロス監督は、韓国のベンチの前でガッツポーズを見せました。そして記者会見では、このように話しています。「厳しい試合だった。韓国という強いチームを相手にしなければならないことは分かっていた。試合には気を引き締めて臨んだが、冷静に対応し、組織的に戦えたと思っている。選手たちが勝利を心から願い、それを信じていたことが、今日の勝利につながったと思う。韓国のチームはよく戦っていた。韓国のワールドカップ出場にもおめでとうと言いたい」

一方の韓国の監督は記者会見で次のように語りました。「ホームの試合でイランに負けたことことは非常に悔しくて残念だ。ピッチの上では出来得る限りのことをやれたと思う。ただ良い結果が出せなかった。我々はこれから、韓国のサッカーの将来について考え直さなくてはならないだろう。若い選手たちも育っており、今後のための土台は整っている」

ちなみに、この後、韓国の監督は辞任を表明しました。一方で、イランの監督は、2014年のワールドカップ終了まで、イランの代表監督を続けることが決定しています。

さて、試合後のイランの選手たちの談話です。まずはキャプテンのネクナーム選手。「この勝利をイランの人々と監督、コーチたちに捧げたい。これが出発点となって、もっともっとイランのサッカーが発展するよう願っている。今日の試合は、必ず勝ち点3を取るつもりで臨み、それが叶ってよかった。監督から、今日の試合では守備を徹底して、チャンスに点を取ることが指示されていたが、その通りになった。レバノンに負けてからは、きっと出場の期待も薄れていたと思うが、監督は諦めず、このチームの勝利のために努力してくれた。ベンチの選手たちも、ピッチに立っている選手たちと一体になって戦っていた」

そして、ゴールを決めたグーチャーンネジャード選手は試合後の談話で次のように語っています。「選手はみんな、本当にがんばったと思う。今日は勝ってピッチを去りたいと、それだけを考えて走り回った。韓国をアウェイで倒せたことが嬉しい。1点が決まった後は、ワールドカップに行けると、選手たちも確信していたと思う。最後の3試合で1点も取られなかったのは評価すべきではないだろうか。この勝利を応援してくれたイランの人々に捧げたい」

グーチャーンネジャード選手は、この試合でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれました。試合後、FIFAのサイトには、このようにありました。「グーチャーンネジャード選手は、イランのワールドカップ出場がかかった大切な試合で、カタール戦、レバノン戦に続き、3試合連続となるゴールを決めた。彼はイランのワールドカップ出場に大きく貢献した」

このグーチャーンネジャード選手、1987年生まれでオランダで育ち、15歳のときからクラブチームでプレーしてきました。その後、ベルギーのチームに所属し、現在はスタンダールでプレーしており、日本代表のゴールキーパー、川島選手のチームメイトでもあります。

ちなみに、この日のFIFAのサイトでは、イランのディフェンスについて、「イランがアジア最終予選で許したゴールは、たったの2点だった」とされています。

イランは、アジア最終予選、後半の3試合で3連勝、勝ち点9を獲得し、大逆転でワールドカップ出場を決めました。そのために喜びもひとしおです。試合後には、イランの政府関係者、最高指導者をはじめ、大統領、国会議長などが、メディアを通してお祝いのメッセージを寄せました。また、テヘランの街中では、夜中まで、ワールドカップ出場を祝う人々の歓声や車のクラクションが鳴り響いていました。さて、サッカー・ワールドカップ・2014年ブラジル大会は、来年6月12日に開幕します。それまであと1年、日本とイラン、共に、大会を盛り上げてくれることを大いに期待しようではありませんか。

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