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2015/05/20(水曜) 20:20

キュスターヴ・ル・ボンが見る預言者ムハンマド

キュスターヴ・ル・ボンが見る預言者ムハンマド

預言者ムハンマド、この人間の最も優れた指導者について、学者によって貴重な作品が執筆されており、それぞれが賞賛に値する作品となっています。しかしながら、それ以前にイスラムの聖典コーランを見てみると、この神の聖なる書物には、次のように書かれています。


「(ムハンマドよ)言え、私はあなた方と同じように一人の人間に過ぎないと。(私の特権は)あなた方の神は唯一の神であるという啓示が私に下されたことである」

フランスの著名な学者、キュスターヴ・ル・ボンは、イスラムとイスラムの文明に関して幅広い研究を行いました。彼の作品には、イスラムやイスラム教徒に関する一方的でマイナスの見方は存在せず、これが彼の持つ特徴となっています。ルボンは、様々な国の調査旅行を行い、一部の国の歴史や文明に関する貴重な書籍を執筆しました。『イスラムとアラブの文明』は彼の作品の一つです。預言者ムハンマドに関するルボンの美しく心に染み渡るような表現と、イスラムの拡大と文明の開花におけるその影響力に関する分析は彼の作品の特徴です。

ルボンは、自著の中で、イスラムの偉大な指導者、預言者ムハンマドの生涯について、子供時代から預言者として神に遣わされた召命日まで、そして逝去する日まで、多くの驚くべき出来事に溢れていた、としています。これらの出来事は、イスラムの預言者が神に選ばれた人物であり、その人生は、奇跡と明らかな徴を伴っていたことを示すものです。ルボンは、『預言者ムハンマドの青少年時代』という著書の中で、次のように記しています。

「イスラムの偉大な指導者が誕生したとき、驚くべき徴が明らかになった。そのとき、世界が揺れ、ゾロアスター教寺院の火が消え、悪魔は流れ星によって空に上るのを禁じられた。ホスロー1世の宮殿の14の尖塔が壊れた。これは、イランの有力な皇帝の消滅を知らせるものだった」

ルボンの見方では、預言者は強固な意志と、高い目標を持っていました。このため、メッカの人々の脅迫と嘲笑は、どんな時も彼に決断をためらわせることなく、人々にこう言ったものでした。「たとえ太陽が私の右手に、月が左手にあっても、これから手を引くことはないだろう」。預言者ムハンマドは敵の嫌がらせや暴力に対して、我慢強く耐えました。そして日ごとにその雄弁さによって、新たな人々を彼の宗教に改宗させたのでした。

預言者ムハンマドの特徴として、優れた道徳性が挙げられます。この特徴は神が自らの使徒を次のように賞賛したほどのものです。「あなたは偉大な、そして優れた道徳性を持っている」。預言者は言いました。「私は美徳を復活させるために神より遣わされた」。彼はその教えの中で、道徳性を何より強調し、次のように言いました。「神は偉大であり、気高さと道徳的価値を愛し、卑しく醜い行為を嫌悪する」。そしてまた別のところで、このように述べています。「あなた方の中で私の最良の友は、人々に最大の愛情をかけるものである」

ルボンは、これに関して、『イスラム預言者の生涯と道徳性』という著書の中で、次のように記しています。
「預言者の知性は誰よりも高く、思想においても誰よりも勝っていた。無駄な発言は行わなかった。常に神の名を唱えていた。絶えず人々に対してにこやかに接し、たいてい静かに座っていた。彼の性質は穏かで、美徳の持ち主だった。貧しく何も持たないという理由で、恵まれない人々をさげすんだりしなかったし、権力を持っているからといって有力者にへつらったりしなかった。アラブの歴史作家に寄れば、預言者は非常に冷静沈着な思想家であり、口数が少なく、洞察力が鋭く、温和で、行動においても非常に礼節を守り、清廉潔白であった。彼は富と権力を持った後も、他者に自分の仕事を委ねることはなかった。ムハンマドは高い野望を持っていたが、非常に穏かな人物であった。彼の従者はこのように語っている。『私は18年間彼に仕えた。その間、彼から暴言を吐かれたり、うんざりさせるような行動をとられたり、さらには暴力を受けるなどの行為はなかった』」

神の預言者は、時代の要求に注目を寄せることで、奇跡を起こしていました。聖典コーランは、ムーサー、イーサーといった過去の預言者の起こした数十の奇跡について触れています。ルボンは自著の中で、コーランを最も雄弁な書物であるとしています。彼はコーランの韻律のとれた説の連なりは、どの天啓の書の中においても見られないものだとしています。そして預言者のその他の奇跡について次のように語っています。

「彼の求めにより、人々の目の前で月が二分された。彼の顔は常に光を放っていた。手を額に置くといつも、その指の間から光がもれていた。石、木、花が彼に挨拶をした。腹を空かせたアリーとその家族のために、空から食べ物を降らせた。預言者は未来について、娘であるファーティマの子供が圧制に直面し、ウマイヤ朝の治世が1000ヶ月続くと予言した。さらに、ムハンマドがある晩に天に昇ったことがイスラム教徒に証明された」
各国の国民の繁栄と権力は、彼らの団結と統一にかかっています。イスラムの偉大な人物、ムハンマドがイスラム共同体の重心に身を置いたときから、世界中に統一という心地よい言葉が鳴り響きました。このフランスの思想家は、イスラム共同体の統一こそが預言者が起こした最大の奇跡だとし、次のように述べています。

「預言者の大きな奇跡とは、彼の死の前に、ばらばらだったアラブ民族を一つにまとめ、この当惑した集団から、一つの国家を形作ったことである。すべての人を一つの宗教、謙虚さや従順さ、一人の指導者に従うことに向かわせた。こうした預言者の崇高の基盤は彼の偉大さや人格を明らかにしている」

ルボンは続けてこのように述べています。
「しかしながら、欺瞞をムハンマドに結びつけることは間違っており、これは答える必要もないだろう。彼は勇敢であると同時に、信仰の光と温かみを有しており、それと共にあらゆる危険な場所に向かっていった。基本的に、信仰の種を他者の心の中に植えようとする人々は、誰よりも信仰深くあるべきである。ムハンマドは確かに、神から助けを得ることを知っていた。こうした信仰は彼に力を与え、あらゆる障害や問題に立ち向かっていた」

最後に、ルボンは次のように述べています。
「ある人物の価値をその行動や善行ではかるなら、明らかにムハンマドは歴史において最も偉大な人物である。預言者が無学であったことはよく知られていることだが、同時に彼は確かに最も高い知性と洞察力を備えていた。宗教的、思想的な偏向が歴史家の目の前に幕を下ろし、それが彼らがムハンマドの偉大さを認めない原因となったのだ」

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