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2015/07/29(水曜) 23:31

マーティン・リングスが見る預言者ムハンマド(1)

マーティン・リングスが見る預言者ムハンマド(1)

預言者たちの生涯に関して研究している人々は、たいてい、「これらの人物は、他の人々と一体どう違うのか。どのような要素によって歴史の中で彼らが永遠に語り継がれることになったのか」という問いに直面します。彼らはこの中で、「イスラムの預言者が現れてから1400年以上が経過するにもかかわらず、なぜその存在は世界で日ごとに輝きを増し、無数の人を引き付けているのだろうか」という考えに沈んでいます。

 

預言者の魅力は、非常に大きなものであり、世界各地の真実を捜し求める作家は、預言者の生涯を研究した後、その類まれな行動と性質のとりこになり、『ムハンマド、初期文献に基づく生涯』を執筆しました。この西洋の作家自身、預言者たちが歴史の中で語り継がれている理由について、次のように答えています。
「唯一、神の意志により、永遠の有効な真理は残される。預言者らの永遠性には大きな秘密が隠されている」

マーティン・リングスの著書『ムハンマド、初期文献に基づく生涯』は、1983年に出版され、これまで少なくとも6回版を重ねています。彼はこの著書の第1章で、唯一神を信仰していた預言者の一門について触れ、次のように書いています。

「創世記にはこのようにある。イブラヒームには子供がなく、望みを持つこともなかった。ある晩、神が彼にテントから外に出るよう呼びかけ、言った。『さあ、空を見よ、星を数えよ。もし数えることができるのなら!』。そしてイブラヒームが星を見ると、再び声が聞こえた。その声は、『あなたの子孫もまた同じように無数となるだろう』と言った」

リングスは、続けてこのように語っています。
「運命により、神の意志を実現するために、一つの共同体のみならず、二つの大きな共同体、二つの導かれた勢力、二つの手段がイブラヒームの子孫から生まれた。イブラヒームは、二つの精神的な流れ、二つの宗教、二つのグループ、二つの中心の起源である。この二つの流れの一つは、アーミナによって中心的なものになった。彼女は自らの中の光の存在に気づいた。ある日声を聞いた。その声は彼女に言った。『あなたの腹の中には、これらの人々の指導者となる子供がいる。子供が生まれたとき、彼を妬み深い人々の悪から遠ざけ、唯一の神に委ねると言え。そのとき彼をムハンマドと名づけよ』」

マーティン・リングスは、イギリス人のプロテスタント信者でした。彼は20歳頃から、西洋の若者の多くと同じように、自らの信仰を手放しました。こうした中、彼は真理の追求をやめませんでした。25歳のとき、世界の諸宗教を研究した結果、イスラム教に入信しました。そしてアブーバクル・セラージョッディーンというイスラミックネームを選びました。リングスはルネ・ゲノンという西洋の哲学者の書物を読み、神の宗教は真理であり、人間性の極致と神との接近に繋がる道を示す能力を持っているという事実に突き当たりました。リングスはルネ・ゲノンの作品の研究は私を文明の過ちに気づかせ、神の宗教の中身こそが真理であり、預言者たちは様々な形で真理について語っているとしています。リングスは次のように述べています。
「ゲノンの理論は私の中に電光を走らせた。私は真理に直面したことを知った。そして作業にとりかかなければならないことを悟った」

リングスは預言者を神の使者として紹介する上で、ムハンマドの出現に関する予言について触れており、修道士ボヘイラの物語を挙げ、次のように記しています。
「ボヘイラはムハンマドの中に吉報のしるしを見ると、アブーターリブに言った。『あなたの甥を国に帰し、ユダヤ人の手から守りなさい。神に誓って、もし彼らが彼を見て、私が彼に関して知っていることを知れば、彼をペテンにかけるだろう。大きな事柄があなたの甥を待ち受けている』」

リングスは、著書の中で、預言者に下された最初の節について触れています。ここでも、ヴァラガ・イブン・ヌフェルの物語を提示しています。目の見えない学者は、預言者の妻ハディージャに、「あなたの夫に神の啓示が下される。彼は明らかに神の使徒だ」と保障します。その後、ヴァラガは、預言者に会い、彼に吉報を伝え、このように言います。「あなたは嘘つきと呼ばれ、酷い扱いを受けるだろう。あなたは追放され、攻撃を受けるだろう。もし私が生きていて、その日を見ることがあれば、神は私があなたの宗教を守ることを知るだろう」
そして彼はかがんで、預言者の額に口を寄せます。
リングスは、著書の中で、預言者の託宣の難しさについて、次のように記しています。
「若者がすべて直ちに神のメッセージを受け入れたわけでなかったが、少なくとも虚栄やうぬぼれがによって、若者たちの目や耳がムハンマドの呼びかけに対して制限されることはなかった。まるで彼らは夢から覚めたかのように、新たな人生に向かって歩んだ。神の言葉は、冒涜が堆積していない人々の耳に真理の鐘として鳴り響く。コーラン第23章アル・ムウミヌーン章、信仰者、第115節には、このようにある。『我々があなた方を無駄に創造し、あなた方が我々のもとに返されないと思うか』コーランの節は光り輝いており、導きの力を持っている。ムハンマドの宗教が受け入れられたもう一つの理由は彼の人格にある。ムハンマドについて、すべての人が、「真理に溢れているため、誰かを騙したりすることはなく、まや非常に知性にあふれているので、騙されることもない人物」であることを知っていた。彼のメッセージは、警告と吉報を伴っていた。警告は聞き手を行動に向かわせ、吉報は人々の心を喜びで溢れさせた」

『ムハンマド、初期文献に基づく生涯』の訳者であるサイード・テヘラーニーは、次のように述べています。
「リングスは、真理を理解することで、イスラムの預言者に魅了され、多くの時間をこの偉大な人物の紹介に費やした。私は彼が死去する1年前の2004年の夏の終わりに、美しく簡素なつくりの自宅に彼を訪ねた。彼は預言者について敬意を持って語り、預言者を人類にもたらされた神の大きな贈り物だとした。彼の自宅には、アッラーの聖なる名前のみが壁と礼拝用の敷物の上に書かれていた。まるでその部屋は彼の家のモスクであるかのようで、毎日彼はそこで5回の祈りを捧げていた。おそらく彼の著書もそこで執筆されたのだろう。いずれにせよ、彼の人生がイスラムの偉大な指導者を正確に追従することで、完全に意味のある計画に基づいて調整されていたのは確かだ」

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