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2015/09/16(水曜) 20:50

ヤズド州(1)

ヤズド州(1)

今回からは、イランの砂漠の傍らに位置するヤズド州を訪れてまいりましょう。


ヤズド州は、イラン中部、砂漠の傍らに位置しています。この州は、イスファハーン、南ホラーサーン、ファールス、ケルマーン州に囲まれており、面積は7万2156平方キロメートル、イラン全土のおよそ4.3%を占めています。ヤズド州の気候は、乾燥ベルト地帯に位置しているため、冬は寒く、夏は長くて乾燥します。平野地帯から周辺の山岳地帯へと近づくにつれて、冬の寒さはさらに厳しく、雨も多くなり、夏は温暖な気候になります。

ヤズド州の農業は、その気候条件により、それほど盛んではなく、農業用水を利用できる可能性が非常に低くなっています。少ない降雨量、流砂、砂漠化、牧草地や水資源の不足といった砂漠地帯の特徴により、ヤズド州の面積の28%は、農業には適さない土地となっています。ヤズド州の重要な農地は、ヤズド、アルダカーン、アバルクーフの各平原です。ヤズド州で収穫される農産物には、ザクロ、ピスタチオ、アーモンド、穀物、ひまわり、ぶどう、綿、サトウダイコン、ゴマがあります。また、ヤズド州は豊富な鉱物資源に恵まれています。重要な鉱物資源には、鉄、大理石、砂岩、鉛などがあり、この州の経済や都市建設において重要な役割を担っています。

ヤズド州は、自然条件に恵まれているとは言えない仲で、民族独自の伝統や歴史的な文化遺産の保護という点で、イランの情熱や芸術を最もよく具現する場所となっています。この州は、非常に豊かな歴史を有し、勤勉で忍耐強い人々が暮らしています。ヤズドの人々は、常に、厳しい自然条件を抱えてきました。そのため、地下からわずかな水をくみ上げるために、数百メートルもの深さまで穴を掘らなりませんでした。

ヤズド州の州都ヤズドは、イランで最も古い都市のひとつで、砂漠の町の代表的な存在となっています。この町は、標高およそ1200メートルの2つの山に囲まれ、乾燥した大きな峡谷に位置しています。ヤズドとは、"清らかな"、"神聖な"という意味で、ヤズドの町も、神の町、神聖な土地を意味します。ヤズドの町の由来については、歴史家の間で様々な見解があります。一部の人々は、マケドニアのアレキサンダー王によって建設されたとされています。アレキサンダー王は、罪人を追放し、捕らえておくためにこの町を建設したため、そこは"アレキサンダーの牢獄"と呼ばれています。

マケドニアのアレキサンダー王がイランを支配していた時代、テヘラン近くにある歴史的な町、レイの有力者たちが、彼に反発しました。アレキサンダー王は彼らを捕らえ、ヤズドに着いたとき、彼らを穴の中に閉じ込め、そこをギリシャ語で「牢獄」と名づけたと言われています。アレキサンダー王がヤズドを去った後、囚人たちは、見張りたちの協力を得て、ヤズドの町の繁栄と建設に努めました。また一部の歴史学者たちは、ヤズドの町を建設したのは、サーサーン朝のヤズドゲルド1世であり、この町の名前は、この人物の名前から取ったものだとしています。

ヤズドの町は、11世紀から拡張され、アターバカーン朝は、この町の繁栄に重要な役割を果たしました。13世紀から14世紀の学者たちの多くは、モンゴル族の襲撃を避け、この町を活動の中心にしていました。ヤズドとその周辺には、数多くの観光地が存在します。中でも最も重要なものに、キャビール・モスク、ファフラジ・ジャーメモスク、セイエド・ロクノッディーンの墓、ドウラトアーバードの庭園、アミール・チャフマーグのモスクと宗教施設、6つのバードギール(風採り塔)のついた貯水施設、ゾロアスター教寺院などがあります。

ヤズドの町の建物は、この地方の砂漠性の気候を考慮し、暑さを和らげるように設計されています。住宅の資材には、主に粘土が使用されています。ヤズドの町では、バードギールと呼ばれる美しい風採り塔など、伝統的な建築様式を採りいれることにより、厳しい自然条件に対応しています。この風採り塔は、屋上に取り付けられています。現在も、新しくできた大きな通りを横に入ると、背の高い壁が続く、狭くて暗い路地がのび、独特の建築を生み出しています。

ヤズドの建築様式は、独自の特徴を持つ、美しくシンプルなものです。それは、偶然の産物ではなく、長年に渡って、自然条件と闘い続けた結果、いくつもの経験や努力から生み出され、その最高のものが、現在の町の区画に使われています。この町の先人たちの繊細で緻密な建築は、注目に値します。モスクや門、学校や広場、住宅に見られる美しい建築様式は、この町の文化の歴史を物語っています。そのため、ヤズドの町は、観光地であるだけでなく、大きな大学、芸術と文化の中心地と見なされ、その中には、2000を超える歴史的建造物が存在します。

ここからは、イスラム建築の傑作のひとつ、ヤズドのジャーメモスクについてご紹介しましょう。ヤズドのジャーメモスクは、14世紀前半に建設された非常に美しい歴史あるモスクです。光り輝くタイル、天にそびえるミナレット、美しい漆喰細工、広々とした中庭と礼拝所など、それぞれが、この貴重な歴史的建造物の美しさ、荘厳さを表す要素となっています。このモスクは面積およそ7000平方メートルで、広大な中庭を有しています。ドームは高さがおよそ30メートルで、二重構造になっています。外側と内側のドームの間には、およそ11メートルの空間があります。

内側のドームは適した高さになっているのに対し、外側のドームは好きな高さに設定することができるようになっており、それがこのモスクの特徴となっています。この構造はまた、周囲の環境による影響を遮断する役目も担っています。もしドームが二重構造でなければ、外部の環境の影響を受けて収縮が起こり、ドームにヒビが入り、装飾に傷がついてしまいます。しかし、このドームは二重になっているため、装飾に傷がつくことはありません。また、イラン建築の重要な特徴の一つは、その細部が修復可能であることです。この構造により、ドームの下側や外側の装飾にも簡単に手が届くようになっています。

ヤズドのジャーメモスクは、非常に美しいメフラーブと呼ばれる壁がんを有しています。このメフラーブの中央はひし形になっていて、そこにはイスラムの預言者一門の名前が刻まれています。また、モスクの内側のドームの上にも碑文があり、そこには、イスラム暦777年という日付と、建造者の名前が記されています。

ヤズドのジャーメモスクが建設されてから、何百年もの歴史が経過したにも拘わらず、このモスクには毎日、多くの礼拝者が訪れ、集団礼拝を行っており、イスラムの宗教行事の日には、様々な儀式が行われています。

 

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