このサイトは更新されていません。新サイトはこちらです。 Parstoday Japanese
2015/05/25(月曜) 19:25

サッガーハーネ

サッガーハーネ

これまでにイランを旅行したことがありますか。イランに来れば必ず、イランの各都市の古い地区やバザールを訪れることでしょう。テヘランなどイランの大都市の古い地区やバザールを通ると、小さな空間、あるいは小部屋に目がひきつけられるでしょう。その空間は二つの壁の間に設けられ、鉄の格子窓がその一部を覆っています。この場所はいわゆるサッガーハーネ、公共の水飲み場と呼ばれています。

 

今日、町の拡大と新たな道路の建設、給水網の拡大により、サッガーハーネは一部の町の古い地区にのみ見られるようになりました。しかしながら、サッガーハーネはイランの人々の民族的、宗教的伝統の表れとして、今も人々に重視されています。今夜の番組ではサッガーハーネがどういうものなのか、それがイランの人々の間でどのように使われているのかをお話いたしましょう。

実際、サッガーハーネとは、コップなどが置かれた公共の水のみ場のことです。誰でもこの場所を利用することができます。恐らく今日、水はすべての人に行き渡っていることから、この場所の重要性を理解することはできないかもしれませんが、それほど遠くない昔、水を手に入れることは難しいことであり、特に旅人にとっては水源は非常に重要なものでした。このため、隊商宿や人々が多く行きかう賑やかな場所にはこのサッガーハーネが作られていました。

人々の喉の渇きを癒す水飲み場を作ることは、サッガーハーネの建設の第一の目的でした。しかしながら、この場所の建設の目的は、人々の役に立ちたいという一種の友好的な動機に加えて、宗教的な側面もあります。サッガーハーネの考え方の根底には、シーア派3代目イマーム、ホサインとその教友の殉教、アーシューラーの出来事があります。実際イラン人はすべての人に水を行き渡らせることにより、カルバラの出来事を思い起こし、この出来事への自らの信仰を示そうとしています。サッガーハーネの水の容器の上には、こうした文句が書かれています。「カルバラで喉の渇きに苦しんだ人たちを思って水を飲め」

サッガーハーネは、イマームザーデなどの聖域と同じように宗教的な場所として、信仰と人々を結び付けています。サッガーハーネは、有名な建物の壮大な建築からはかけ離れています。しかしながら、一種の特別な親しさや精神性が感じられ、人々が神の名を唱えたり、礼拝を行ったり、唯一の神との関係を見出すための場所となっています。サッガーハーネの建築は、モスクやメヘラーブと呼ばれる壁がんの建築と非常に似通ったものとなっています。サッガーハーネの大きさや装飾はその場所の重要度に関わっています。広場や人通りの多い場所や通りにあるサッガーハーネはより大きく、装飾も多く施されています。一方で、狭い壁に囲まれた古い路地にあるサッガーハーネは小さなものとなっています。

サッガーハーネは、特別な装飾が施されており、その内部は様々な物質や資材で覆われています。内部はタイル、鏡、漆喰、寄木、象嵌細工や絵画で飾られ、外部は色のついた唐草模様や文字の書かれた化粧タイルが施されています。

概して、水飲み場、燭台、募金箱、絵画や壁に書かれた格言がサッガーハーネの内部で見られる重要な要素です。こうした中、鏡、ランプ、旗、花瓶なども好みによって置かれています。

各サッガーハーネで集まった募金は、その管理者によって貧しい人に寄付されたり、その場所やモスクなどの宗教施設の修理に当てられます。これが実際、サッガーハーネの社会的、経済的な機能となっています。蝋燭を点すことでその場所を明るく保ち、こうした習慣は今でも維持されるようになっています。

かつてサッガーハーネは地元の人々の問題を解決する場でもありました。テヘランの有名なサッガーハーネ、バハーレスターン広場のアーイーネ・サッガーハーネは、この町で最も美しい水飲み場の一つです。イランの多くの都市に残っているサッガーハーネは、文化遺産と見なされ、イラン観光庁の支援を受けています。

Add comment


Security code
Refresh