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2015/06/01(月曜) 20:25

セムナーン州の風俗習慣(1)

セムナーン州の風俗習慣(1)

イランの広大な領土は、人間が最初に定住した場所のひとつであり、文明の出現の最初の中心と見なされています。イランの各地には、様々な文化や生活様式を持った様々な民族が暮らしています。それらの人々から残された記憶、風俗習慣は、人類社会の歴史や文化遺産の一部として、特別な重要性を帯びています。イラン北部、テヘランの東にあるセムナーン州は、こうした地域の代表です。この州は、イランの領土において最も古い人類の定住地であり、様々な方言が使用され、貴重な文化遺産を有しています。それを人類の文化の一部として維持し、伝えていくことは必要なことです。

 

 

今回の番組では、この地域で話されている独自の言語をご紹介すると共に、風俗習慣や口承文学についてお話しすることにいたしましょう。

 

研究者の中には、セムナーンを方言の島と呼び、イランの純粋な方言のひとつが話されている町と見なす人々もいます。彼らは、セムナーンの言葉を古代語であるパフラヴィー語に近い言語だとしています。

 

セムナーンの方言は、その独自の特徴により、昔からイラン国内外の研究者によって注目を集めてきました。それについての数多くの研究が行われ、論文が書かれています。これについて、デンマークの研究者アルトゥール・クリステンセンの調査を挙げることができます。

 

研究者によれば、セムナーンの方言は多様で、それを習得するのは容易ではありません。セムナーンの方言の特徴の一つは、各地区や村の住民が独自の方言を話すことで、それもそれほど距離が離れていないところに住む住民でさえ、それぞれの方言を話すほどで、それらは発音が完全に異なっている、ということです。

 

セムナーンの方言は文法においてもペルシャ語とは異なっています。単語の数や慣用句の豊富さがこの言語の特徴です。男性名詞と女性名詞の存在、その動詞への影響がセムナーンの言語の特徴であり、現在のペルシャ語にはそれがありません。研究者の中には、セムナーンの方言は数千年が経過した今も、アヴェスター語やパルティア語など、イランの古代の言語の文法の多くを維持していると考える人々もいます。ここからはセムナーンの人々の口承文学についてお話しすることにいたしましょう。

 

セムナーンの方言における短い物語はアストネクと呼ばれています。これらの物語は大衆文化の貴重な宝庫となっています。一般にこれらの物語の出所は不明で、それらが語られた時代もわかっていません。またそれらが生まれた背景も正確にはわかりません。そのため、物語の中の暗示の存在が、社会的に重要な出来事や皮肉を物語っており、深い研究が必要とされています。ここでアースティーナキー・シェガールカという題名の物語をご紹介しましょう。

 

アースティーナキー・シャガールカは、窮地に陥ったときに、なぜ先のことを考えなかったのかと後悔ばかりする怠慢な人への戒めの物語です。そしてこの人は問題が解決されるや否や、過去の辛さを忘れてしまいます。物語は次の通りです。

 

冬の半ばに、ジャッカルが巣の中でお腹を空かせて震えていました。彼は言います。「夏になるまでに風採り窓を作ろう。釘を打ってブドウをそこに巻きつかせて、冬を楽に過ごせるようにしよう」。こう言って、自分自身を励ましましたが、冬も終わり、ついに夏になってしまいました。ブドウが良い具合に熟したとき、ジャッカルはブドウの木の下で、嬉しそうに一房のブドウを口にくわえました。そのとき、自分が冬に言ったことを思い出しました。ジャッカルはブドウの房を地面に落とし、別の一房を口にくわえました。そしてのん気に、こう言います。ジャッカルは風採り窓を作るか?いやいや、そんなことをしたら疲れて死んでしまう。

ジャッカルは釘を打つか?いやいや、そんなことをしたら疲れて死んでしまう。

ジャッカルはブドウの蔓を巻くか?いやいや、そんなことをしたら疲れて死んでしまう。

 

今回の番組の最後に、セムナーンの格言を幾つかご紹介しましょう。

「耳の聞こえない人は二度笑う」

自分でも気付かずに他者の話に介入する愚か者のことを言います。

「すぐに切れる縄で薪拾いに行くな」

これは不確かな手段で作業を行わないよう、足元を固めてから動くように、という意味です。

「幸福は善意を持つ者の家の中にある」

これは善意を持っている人が、幸福という報酬を受ける、恩恵は良いことをする人々の家の中にあるいう意味です。

 

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