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2015/06/29(月曜) 18:20

セムナーン州の風俗習慣(2)

フェルト作り フェルト作り

前回の番組ではイランの古代語のひとつとしてのセムナーンの方言についてお話しました。またセムナーンの口承文学についてお話しする中で、この地方の格言についてお伝えしました。今回もセムナーンの人々の風俗習慣についてお話しすることにいたしましょう。

 

セムナーンとその周辺の地域では、数十もの伝統的な遊びが広まっています。この遊びの一部は、この地域を越えて、イランの他の町にも広がっています。セムナーンの遊びには面白い特徴があります。それらには、動作のあるものや、動作と停止を伴うもの、思考力を使うもの、言葉遊び、その他多くの遊びがあります。

セムナーンの伝統的な遊びの最も重要な特徴として、不道徳な事柄を避ける、遊びの中に動きを取り入れる、道具を必要としない、どこでもできる手軽さ、グループでの遊び、協力の精神が養われる、そして戦いの訓練といった側面を挙げることができます。またこの遊びの報奨は、自然やその時と場所に応じたものにもなっています。その中にはほとんど物質的な側面は見られず、一部の報奨は奨励的なもの、一部は戒めの側面を帯びています。セムナーンの遊びの例として、城砦取りという遊びをご紹介しましょう。

この遊びは、6人以上で遊び、他に道具などは必要ありません。広い場所で行うもので、個人の身体能力を測るものです。まずはじめに5,6人でグループを作り、互いに手をつなぎ、城砦を作ります。一人は城砦の中に、もう一人は外にいて、相手の場所に移動するよう動きます。他の城砦の中に入り込んだ人が勝ちとなります。

民謡やはやり歌もまた、セムナーンの人々の口承文学を形作っています。セムナーンの民謡は長い歴史を有しています。これらの歌を作った人たちは知られておらず、多くが過去から次の世代へと引き継がれてきたものです。これらの民謡のテーマは様々で、多くが結婚式などの祝祭で歌われます。中には農作業に関する歌があったり、道徳的な事柄に関する歌もあり、これらは人々に導きを与える側面を有しています。格言や民話、子どもたちの遊びのための民謡もまた、メロディーを伴っています。興味深いのは、様々なテーマの民謡に、歌い手の悲しみや喜び、希望が反映されていることです。

セムナーン州には遊牧民も暮らしています。その中で、サングサリーと呼ばれる部族がおり、彼らはサングサルという地域とその周辺の村で暮らしています。この地域では、遊牧民をヒールフーン、あるいはクーフガーンと呼んでいます。また定住者はデフフーン、あるいはデフガーンと呼ばれています。サングサリー族は、幾つかの部族、さらにその部族は幾つかのグループで構成されています。彼らは背が高く、均整がとれた体躯を有しています。彼らは勇敢で親切な人々です。そして困難に立ち向かい、耐え忍び、友情に非常に厚い人々です。

サングサリー族は、夏になると、テヘランの北東部にある緑の高地、フィールーズクーとアルボルズ山脈の緑豊かな山麓で過ごします。一方、冬はセムナーンからタバス、ビールジャンド、ルート砂漠、ゴルガーンの草原までの範囲で暮らします。サングサルでは、畜産は放牧の形で営まれています。つまり、羊飼いだけが夏と冬の土地を移動して放牧を行うスタイルです。羊飼いの一家は、春や夏になると一緒にフィールーズクーやその周辺の地域で生活を送ります。

サングサリー族の経済状況は、放牧と畜産、乳製品などの加工品製造により、比較的良好な状態にあります。サングサリー族をはじめとするサングサルの人々は、家畜に関わる仕事をしており、羊毛を使用することで、様々な手工芸品を生み出しています。この地域の手工芸には、ゲリームと呼ばれるけばの短い絨毯や、羊毛やフェルトなどの薄い敷物があります。

サングサリー族の女性たちの最も優美な織物の一つに、女性用のベールがあります。このベールは生の絹糸から作られ、手製で、長方形の形をしており、長さは3メートルにもなります。その上には、周辺の自然をモチーフにした美しい刺繍が施されています。

フェルトもセムナーンの手工芸の一つです。フェルトは暖かく丈夫で安価であるため、寝具を包む布や覆いに使われてきました。実際、フェルトは羊毛を圧縮したもので、その上には色のついた羊毛で美しい模様が施されています。一般にフェルト作りには天然色の羊毛が用いられます。

セムナーンで作られているフェルトは、様々な種類があります。一部のフェルトは絨毯に使用されています。またある場合には、四角形、三角形、楕円形のものが作られており、それらは装飾用に使われます。フェルトはまた、羊飼いの帽子や服、掛け布団に使われています。フェルトはセムナーンの人々の生活で多く利用されていることから、伝説や格言といった彼らの口承文学の中にも出てきます。

セムナーンのナン作りも昔から行われており、ナンの量と保存の期間の点で、おそらくイランの他の地域では類のないものとなっています。セムナーンの人々はかつて1日で、3か月分のナンを作っていました。地域の砂漠性の気候もまた、時間がたってもナンを腐らせない要因となってました。焼かれたナンは、特別な容器に保存されていました。この種のナンは非常に薄く、脆く乾燥した状態で、少しの水分を加えるだけで、柔らかなナンへと変わりました。今日でも、この他、油や砂糖、シナモンなどを加えた様々なナンが作られており、これらは非常に味もよく、セムナーン産のナンとしてイランの各地に送られています。

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