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2015/07/14(火曜) 23:02

断食月・ラマザーン(3)

断食月・ラマザーン(3)

これまでの番組では、ラマザーン・断食月の慣習を説明する中で、ラマザーン月に入る前の準備や夜明け前、日没後の食事についてお話しました。またコーラン朗誦のイベントや親戚同士の訪問の習慣についてもご紹介しました。今回は、イラン各地のガドルの夜の儀式についてお話しすることにいたしましょう。

 

イランでは、ラマザーン月の19日、21日、23日の夜、また一部では27日を「ガドルの夜」と呼んでいます。コーランは、これらの夜に預言者ムハンマドに下されました。このため、これらの夜には、イラン全土で特別な儀式が行われます。19日、20日、21日は、預言者の援助者であったシーア派初代イマーム、アリーの殉教を悼む日であり、この中でイスラム教徒、アリーを敬愛する人々は、悲しみに沈み、殉教劇を行ったり、哀歌を歌うなど、追悼の儀式を各地で行います。

ガドルとは何かをはかること、価値や信用をはかることを意味し、ガドルの夜とはつまり、評価の夜ということになり、ガドルの夜の重要性や価値はコーランの中で述べられていることに基づき、非常に高いものとなっています。コーランには「ガドルの夜は千の月にも優る」という記述があります。これらの夜は肉体や精神から罪を取り払い、物質的な帰属から離れ、慈悲深い神に許しを請い、イスラム教徒の間で献身と協力の姿勢を見せるときです。これらの夜、イスラム教徒は互いに手を取り合い、恵まれない人々を支援すると共に、施しを行います。

イランでは、ガドルの夜になると儀式が行われ、コーラン朗読や祈祷、礼拝といったことが行われます。ガドルの夜にはイスラム教徒は明け方まで礼拝し、コーランを読み、祈祷を捧げます。この儀式を行う日時も場所も人によります。ある人は家で、多くの人はモスクでこの儀式を行います。さらに、徹夜で祈祷を行う人たちもいます。これらの夜に行われる儀式の順は地域によって様々ですが、神に祈りを捧げ、許しを請い、コーランの節を読むことにおいては共通しています。

ガドルの夜には、徹夜の祈祷の儀式に参加しようとする人々は、日没前から、肉体や精神の浄化のため、全身を清め、断食明けの食事の後にモスクに行きます。この儀式に参加することには制限はありません。老若男女、階層や社会的な地位を問わず、すべての人がこの儀式に参加することができます。このコーランを読む儀式では、ラマザーン月の夜に読まれる祈祷のほか、特別な祈祷があります。これらの夜にふさわしい祈祷の一つに、ジョウシャン・キャビールの祈祷があり、これは、各部が神の10の名前で構成される100の部分から成り、この中では神の千の名前が唱えられます。

徹夜の祈祷の儀式の一つに、コーランを頭の上に載せる特別な儀式があります。儀式が始まる際には、精神的な雰囲気を作り出すため、明かりを消し、コーランを頭の上に載せ、清らかな心で神の御前で祈祷し、神の許しを請います。儀式の終わりには、他者や病人の問題が解決されるよう祈りが捧げられた後、明かりがつけられます。一部の地域では、ガドルの夜の、徹夜で行う祈祷の儀式が終わると、夜明け前の食事が出されます。ガドルの夜に、自宅で徹夜の祈祷の儀式を行う人もいれば、ナズリーと呼ばれる食事をモスクにもって行き、断食者に振舞う人もいます。イランの多くの都市では、ガドルの夜や徹夜の祈祷の儀式の後に夜明け前の食事を振舞うことは非常に良いこととされており、このため、儀式に参加できなかった隣人にも食事を届けるのです。

ガドルの夜に際して、イスラム教徒の間で数多くの習慣が広まっています。そのうち最も重要なものの一つに、死者のために他人への施しを行うことが挙げられます。自らの願いを叶えるためにその年、施しを行うことを誓った人々は、この夜その施しを行います。この施し物には様々な形があり、服、現金、食事、モスクなどの宗教施設に必要な道具だったりします。食材もまた、施し物として広く提供されています。恵まれない人々にスープを提供したり、羊をと殺したり、徹夜の祈祷の参加者に食事を用意したり、パンやナツメヤシ、各種のデザートやお菓子も配られます。金銭的に余裕のある人は、ガドルの期間には、恵まれない人や隣人、知人に断食明けの食事や夕食、あるいは夜明け前の食事を提供します。

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