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2013/03/14(木曜) 00:30

亀とさそり

昔々のこと。亀とさそりが仲良く暮らしていました。そんなある日、彼らが住む場所である出来事が起こり、生活が脅かされたため、彼ら別の場所に移住せざるを得なくなりました。亀とさそりは一緒に旅立ち、しばらく歩いたところで川にたどり着きました。さそりは川を見ると、その場に立ち止まり、亀に言いました。「ほらね、僕はなんて運が悪いんだ」。亀は言いました。「どうして?どうしたというんだい?」さそりは言いました。「ここからは、前にも後ろにも進めない。前に進めば川で溺れてしまうし、後ろに戻れば君と別れることになる」

亀は言いました。「心配することはない。僕たちは友達じゃないか。喜びも悲しみも一緒に分かち合うんだ。川を渡ることは僕にとってわけのないことだから、君を背中に乗せて、一緒に川を渡ろう。こんな偉人の言葉を聞いたことがないかい?『友が落ち込んだり、困ったりしているときに、彼の手を取ってやる。それが友達だ』」

さそりは言いました。「君はなんてすばらしい友人なんだ。いつかこの親切にお返ししなきゃいけない」。こうして亀は、さそりを背中に乗せ、川を泳ぎ渡りました。しばらくすると、亀は背中をひっかかれているように感じました。亀はさそりに尋ねました。「何をしているんだい?」。さそりは答えました。「なんでもないよ。君の背中で、針を刺せる場所を探していただけだ」。驚いた亀は、不愉快になって言いました。「君はなんて残忍な生き物だ!僕が君を助けるために、自分の命まで危険に晒しているというのに、君は僕を刺そうとしているのか?まあ、僕の甲羅は固いから、刺されてもなんともないが。君は友達を装いながら、僕の命を奪おうとするのか?どうしてそんな悪意を抱いたり、裏切りを働いたりするんだ?」

さそりは言いました。「そんなことを言われるとは思わなかった。僕は君を裏切った覚えもないし、悪意を抱いたこともない。火は燃やすためにあるだろう。火は全てのものを、最も親しい友人たちでさえも燃やしてしまう。それと同じように、針で刺すことは、僕の持って生まれた性質なんだ。僕は君の敵ではない。それどころか、君の友人であり、これからもそうあり続けるだろう。こんな言葉を聞いたことはないか?さそりの針は恨みからではない、もともと持っている本質である」

亀はさそりの言葉を受け入れ、言いました。「そうだね。こうなったのは自分のせいだ。これほどたくさんの生き物がいるなかで、僕は君を友人に選んだ。僕がいくら君に愛情を注いだところで、君の本質は恐ろしいものだ。だから僕はもう、これ以上、君と友達でいたくはない。一人でいた方が、君のような友人と一緒にいるよりもずっとましだ」

亀はそう言うと、さそりを背中から落として川に投げ込み、そのまま前に進んでいきました。

それでは最後に、イランのことわざにまつわる物語をお送りいたしましょう。今回のことわざです。

「鳩は鳩と、鷹は鷹と」

昔々のこと。鳥を売る一人の商人が、哀れな鳥たちの通り道に罠をはり、捕獲していました。彼は捕獲した鳥たちをかごに入れ、人々に売っていました。店にはスズメ、きじ鳩、さよなき鳥、カナリア、オウム、鳩、むくどりなどの鳥があふれかえっていました。この店に来る客にも、色々な人がいました。例えば、さよなき鳥を買いに来て、その美しいさえずりを楽しむ者もいれば、鳩を買いに来て、鳩と戯れたり、鳩の首を切って、ごちそうを作ったりする人もいました。また言葉を話すオウムを買いに来る人もいました。ある日のこと。店の主人が、どんな鳥がかかっているかと罠を見に行くと、数羽のスズメの他に、カラスがいました。そこで主人は考えました。「誰もカラスを買おうなんて思う人はいないだろう。カラスは解放してやろう。美しい声で鳴くわけでもないし、調理してもおいしくはない」

主人はカラスを解放してやろうと網に手をかけました。そのとき、カラスは主人を恐れ、主人の手をくちばしで強くつつきました。主人はうめき声をあげ、カラスに言いました。「俺の手をくちばしでつつくのか?よし、いいだろう。解放してやろうと思ったが、懲らしめるために鳥かごに入れてやる」

主人は、スズメと一緒にカラスも、鳥かごの中に入れました。他の鳥と一緒になれたカラスは、喜んで言いました。「この鳥かごから逃げ出す方法を考えよう。一緒に知恵を絞って、何ができるかを考えてみるんだ」。雀たちはさえずりながら言いました。「君の言うとおりだ。店の主人から逃れる方法を考え出さなくちゃ」。こうして、世界一美しい鳥だと自負していたオウムは、新しく仲間に加わったカラスが、鳥たちを救い出すことを考え、早くも雀たちを説得してしまったことを不快に思い、言いました。「そんな言葉は、君のような真っ黒なカラスには釣合わない。黙って自分の運命を受け入れたらどうだい?」

カラスはオウムを一瞥すると言いました。「なんて自分勝手なんだ!もし神の創った空や無限に広がる森を自由に飛んでいたら、君は今頃何をしていた?そのとき君は、鳥たちの神だと言っていたに違いない。まったく、声音を変えて人間のまねをするなんて。君は人間のまねをして誇りに思っているみたいだが、人間たちが我々鳥たちに何をしてくれたと言うんだい?彼らは罠をはり、鳥かごに入れ、殺すこと以外、我々に何かしてくれたことはない」

オウムは言いました。「もういい加減にしてくれないか。君のうるさいがなり声はカンにさわる。それじゃ君には、人間の声が出せるのかい」。カラスは言いました。「何のためにそんなことをしなきゃいけないんだ?君みたいに巣を作ってもらって、ピエロみたいに人間のために真似をしろだって?僕の鳴き声が人間に嫌われ、鳥かごに入れられないほうがよっぽどマシだ」。オウムは言いました。「まったくなんという悪運に引っかかってしまったんだ!鳩の鳴き声やスズメの鳴き声でもうるさかったというのに、それにカラスまで加わるなんて!」

スズメは皆、口々に言いました。「僕たちの鳴き声は美しいじゃないか。もし聞きたくないんだったら、耳をふさいだらいい」。また鳩たちも言いました。「僕たちの鳴き声がどんな風であろうと、自分たちにとっては最高だし、自分の声が気に入っている」。そこで、黙っていたカラスは少し考えて言いました。「そう、スズメは自分たちの鳴き声を気に入っているし、鳩たちも同じだ。そして私たちカラスも、自分たちの声に誇りを持っている。僕たちは、人間に苦しめられたり、悲しませられたりしてきたんだ。それに加えて今、オウムによる人間の声のまねに苦しめられるなんて。君は人間の声を気に入っているんだったら、ここに残って、ずっと人間の鳥かごの中に入っていたらいい。僕は自分でどうにかするから」

カラスはかあかあと鳴き、店の主人をいらだたせました。このカラスの鳴き声により、別のカラスたちも店の周りに集まってきて、皆で一斉にかあかあと鳴き始めました。自分の行いを悔いていた店の主人は、かごの扉を開き、カラスを解放しました。別の鳥たちも、この機会に乗じて、空へと飛び立って行きました。しかし、オウムだけは残りました。オウムは、人間の声をまねするために鳥かごに残ったのです。このときから、人間は、自分と似た境遇や立場の人と交際すべきだという意味で、こんな風に言われるようになりました。「鳩は鳩と、鷹は鷹と」。日本にも似たようなことわざがありますね。「類は友を呼ぶ」

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