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2015/10/19(月曜) 23:24

メナーの惨事におけるサウジアラビアの責任の追及

メナーの惨事におけるサウジアラビアの責任の追及

イスラム教の犠牲祭に当たる9月24日、サウジアラビア・メッカ近郊のメナーで、大惨事が発生しました。巡礼儀式の中でも重要な、石投げ儀式に向かうために大勢の巡礼者が移動する道で、サウジ当局の管理不足により、イラン人巡礼者465人を含む数千人が命を落としたのです。


一方、少し前の9月11日、メッカのマスジェドルハラーム付近でクレーンが倒壊し、巡礼者120人が死亡しました。メナーの惨事については、サウジ政府が巡礼者の死亡に対しどのような責任があるのか、といった疑問や疑念、議論の余地が存在し、これは法的な点から訴追することが可能です。
メナーの惨事の調査の結果は、2つの種類に分類できます。ひとつは事故としてやり過ごし、サウジ政府の関係者が言うように、それを天命だとする考え方です。もしくは、神の意志に従う中で、論理や洞察力により、今後、管理不足や怠慢によるこのような惨事が繰り返されないよう防ぐため、この惨事を扱うというものです。
この惨事を受けて、イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、メッセージを発し、この惨事の被害を受けた人や遺族に対して遺憾の意を表明するとともに、「誤った管理と不適切な措置がこの惨事の要因であり、これを考えるのを避けるべきではない」としました。
イランのローハーニー大統領も、メナーの惨事に対する最初の反応で、イランは被害を受けた巡礼者の権利の追求に全力を尽くすと強調し、「今年のメッカ巡礼で多くのイスラム教徒が受けた精神的被害は、物質的な賠償で償え切れないほど大きい」と語りました。
今年のメッカ巡礼では、3つの死亡事件が発生しましたが、それらはみな、サウジアラビアの担当者の管理不足を明らかにしており、多くのイスラム諸国の要人はこの事故を怠慢によるものだとしています。しかし、サウジ当局はこれまで同様に、メナーの惨事の諸側面や原因を隠そうとしています。メナーの惨事の最初の調査では、巡礼者が死亡した原因は、石投げ儀式の道の封鎖と、将棋倒しによる圧死、窒息死だと表明されました。
以前にもメッカ巡礼でこのような事件が発生したことを考慮すると、メナーの惨事は、全面的に調査されるべきであり、この惨事に関するサウジ政府の責任の重さと、この惨事が運命として正当化できるかについて、明確化されるべきでしょう。明らかなのは、メナーの惨事は決して小さな事件ではなく、イランの担当者もこの問題の調査の必要性を強調している、ということです。
イランは、サウジアラビア政府には巡礼者の安全を守る責務があるとしており、これに関するどのような不注意や怠慢の結果も、サウジの責任となると訴えています。イランのプールモハンマディ法務大臣は、これに関して、次のように表明しました。「われわれはこの問題に関して責任があり、イスラム共同体の集合的権利と、死傷者個人の権利、関連する政治的な問題を真剣に追求する」
イラン外務省高官も、次のように強調しています。「イラン人の行方不明者一人ひとりの安否が確認され、イランに送還されるまで、イランはこの問題を真剣に追求しており、外交的な接触を行っている。最新の統計によれば、イラン人の死亡者は465人で、現在も48人が行方不明とされている」
イラン護憲評議会のメンバー、エスマーイーリー氏はメナーの惨事と、この惨事に関するサウジ政府の行動について、メナーの証拠を隠蔽するという行為は、追及が可能であるとして、次のように述べました。「巡礼ビザの発給は、その個人の安全を確保することを意味し、サウジの法律は、イスラム法学が占めている。つまりサウジの責任者は、イスラム法学に従い、この惨事を調査すべきだ」 また、OIC・イスラム協力機構の理念の第4条でも、これに関して、メッカやメディナの巡礼に参加する際、その参加者個人の安全確保に必要な措置が行われるべきだとされ、この条項はサウジ政府による説明を強く訴えているのです。
つまり、これに関するサウジアラビアの責任は完全に明白です。なぜなら、多数のメッカ巡礼者の受け入れの責務を負う国は、国際法規の枠内に従い、メッカ巡礼に関してあらゆるサービスを提供し、巡礼者が安全で健全であるよう、措置を講じるべきなのです。イランとサウジアラビアの協定書の第3条も、この問題について扱っており、サウジはイラン人巡礼者に問題が起こらないよう、彼らに安全と安心を与えることが義務付けられています。
メナーの惨事に関するサウジアラビアの責任は、領事関係に関する1963年のウィーン条約の責務に従ったものです。この条約の36条によると、領事関係者は、受入国において、派遣国の国民と自由に通信・面会することができます。また、この条約の37条では、受入国の当局は派遣国の国民が受入国で死亡したという情報を得た場合、その情報を遅延することなく派遣国の領事機関に通報することが義務付けられています。
しかしこれに関して、多くの人の安否が明らかにされていないなど、サウジ政府がメナーの惨事の死亡者に関する情報を隠蔽したことを示す証拠や矛盾が存在します。
AP通信がこの惨事の犠牲者の数について、エジプトの148人、インドネシア120人、ナイジェリア99人、パキスタン、インド、マリ、バングラデシュ、セネガルは60から80人など、18カ国による公式統計を合計したところ、サウジ側の発表した数よりも多いことが判明しました。サウジ当局は、メナーの惨事の数日後、この惨事の死亡者は769人で、負傷者は934人と発表していました。
領事関係のウィーン条約の第36条によりますと、派遣国の国民が逮捕され、抑留された場合、受入国は遅れることなくその旨を派遣国の領事に通達することになっています。このような措置が行われなかったことから、サウジアラビア政府の行動は、情報を透明化していなかったという点で、法的側面から訴追することが可能です。
イラン司法府人権本部のガリーブアーバーディ国際担当副長官は、メナーの惨事は、国際法と国際人権法の点から検討することができ、また、サウジアラビアはこのいずれの点でも取り決めを守らなかったとしています。ガリーブアーバーディ副長官はまた、1990年に採択されたイスラム人権宣言では、遺体の尊厳は守られるべきであり、遺体への不遜は違法だとされている、としています。さらに、「生存権、医療や飲料水を利用する権利、人間としての尊厳を守られる権利についても、その侵害は人権や法律への違反となる」と語りました。
法律の専門家によると、メナーの惨事に関する法的追及は可能だということです。そのひとつの方法は、イランとサウジアラビアの裁判所でこの問題の訴訟を行うという方法です。これに基づき、サウジアラビア・ジェッダのイラン領事部は、メナーの惨事の死傷者の遺族側として、サウジの裁判所で法的追及を行うことができます。同じように、イランの裁判所も、この調査を行う資格があります。
イラン慣習刑法第290条によりますと、検事総長は、訴訟を必要とする、国家の利益や福祉、財産に関する犯罪や公民権に対する侵害において、然るべき資格のある国内、海外、国際的機関を通じて、追及し、監視する義務があります。こうした中で、テヘランの犯罪に関する検事部では、異議申し立てを記録するため、メナーの惨事に関する報告と資料を作っています。中立な独立調査委員会の結成、あるいは国連人権理事会を通じた告訴も、メナーの惨事を追及するための選択肢です。
メナーの惨事では5000人近くの巡礼者が命を落としました。サウジ政府は、この中で説明を行い、事件が起きた原因を調査し、この惨事の原因を調査し、この事件の責任者に対してはあらゆるレベルで必要で真剣な処遇を行うべきです。この惨事については、誰にも責任がない将棋倒し、怠慢さ、そしてこの惨事が意図的に引き起こされた、という3つの原因を想定することができます。この惨事が意図的なものであると証明された場合、サウジ政府は、2001年に批准された国際条約に基づき、すべての巡礼者の安全を守る責務への違反の責任を負うことになります。
メナーの惨事により、サウジ当局は強い批判を受けています。この批判は、サウジアラビアが、メッカ巡礼儀式を管理する中で深刻な問題が存在し、巡礼儀式の開催方法に関して、国際会議を開催することが必要であると示しています。このため、多くのイスラム諸国は、巡礼の管理のあり方を見直すよう求めています。
現在、メナーの惨事は、あらゆる角度から追及することができますが、政治的な憶測を避け、この問題の諸側面を明らかにし、死亡者の権利を守るための、法的なプロセスによる追求こそが、これに関する疑惑を解消するのに最も理性的な選択肢でしょう。

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