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2015/12/28(月曜) 18:46

最高指導者の欧米の若者への書簡におけるテロの問題

最高指導者の欧米の若者への書簡におけるテロの問題

西側メディアがパリの同時テロを悪用し、新たなイスラム排斥の新たな波をそのニュース報道や分析の中で作り出している中で、イランイスラム革命最高指導者ハーメネイー師の西側諸国の若者に向けた書簡の発表は、この問題について再び考える新たな雰囲気を作り出しました。

 

ハーメネイー師はこの書簡の中で、より安全な将来のための策を考える上で、テロリズムをイスラム世界と西側社会の共通の理解の基盤だとしています。

ハーメネイー師は欧米諸国の若者に向けた2通目の書簡で、次のように語りました。「フランスでの最近の出来事の中で経験した情勢不安や緊張、そしてイラク、イエメン、シリア、アフガニスタンの人々が長年強いられてきた苦しみとの間には、主に二つの違いがある」 ハーメネイー師はこの違いを明らかにする中で、「第1の違いは、イスラム世界はより広い側面で、より大きな規模で、より長い年月において、恐怖にさらされ、暴力の犠牲になってきたということだ」と述べました。そして、第2の違いとして、こうした暴力が常に一部の大国によって、さまざまな手段、効果的な形で支持されていることを指摘しました。その実例として、アルカイダやタリバン、彼らに追随する悪しきグループの強化と武装化に、アメリカが関与していることが挙げられます。

ハーメネイー師の西側の若者に語りかけている書簡は、確かに多くの外国メディアの注目を集めましたが、一部のメディアはそれを無視し、この書簡の一部だけを一方的な見方により、あるいはテロに関する西側のダブルスタンダードな定義により解釈し、評価しています。

ハーメネイー師の西側諸国の若者に向けた書簡は、あらゆる視点から、西側の社会と文化の根源が抱えている問題を再び考える必要性を強調しています。ハーメネイー師がこの書簡のはじめで強調したように、フランスであれ他の地域であれ、世界のどの地域にあっても、全ての人間の苦しみはそれ自体、同胞たちにとっては悲しいものであるものの、今日の情勢不安から学ぶことで、現在起こっている惨事のない未来を作る道を開くことができます。

最高指導者の書簡で詳細に、そして注意深く、若者の間の過激派思想の根源を説明する中で触れられていることは、西側の人間であれ、アジアやイスラム世界の人間であれ、全ての人間の運命に関係しています。このため、明らかに、最高指導者の第1の書簡で示されたように、西側メディアは真実を示す傾向になく、むしろ、この書簡のメッセージの深い影響力の拡大を防ぐため、この書簡で示されている、西側の政治体制や、テロや過激派に対するダブルスタンダード政策に疑問を呈しているという一部の重要な点を、それほど重要なものとして取り上げなかったり、あるいは全く取り上げないという行動に出ています。

最高指導者の若者に向けた書簡は、西側メディアのボイコットにもかかわらず、世論、とくに若者に対する、仲介なく真理を語ることの影響力を証明しました。このメッセージの影響は、ネットワーク上の論文や、インターネットサイト、ソーシャルサイトという形で、西側政府に対する政治的な批判を行う見解表明の中で見られます。

西側世界は、常に大小のテロ事件の後、いつもどおりの方法に従い、自身を俯瞰するのではなく、暴力を拡大したとしてイスラムやイスラム教徒を非難するという、性急な手段を選択することに慣れてしまっています。その性急な反応の結果は、表面的な措置や、感情的で性急な行動です。この行動は現実逃避であり、このため西側はこの方向で歩みを進め、毎回、暴力の実質的な根源を認識することから遠ざかっています。これこそはまさに、テロ対策における西側諸国の大きな誤りなのです。

ハーメネイー師はこの書簡の中で、次のように語りました。「数百万人の活動的で責任ある人々で構成される、ヨーロッパやアメリカに住むムスリムの社会を、孤立、あるいは恐怖や動揺の中に置き、これまで以上に、彼らの基本的な権利を奪い、社会の中心から外すようなあらゆる性急で感情的な動きは、問題を解決するどころか、溝を深め、わだかまりを広めるだろう」

最高指導者のこの書簡は、主に西側の若者に語りかけており、西側の文化や教育の影響を受け、暴力的な行動や攻撃的な性質に向かう若者に対して、真理を語っています。ハーメネイー師はこれに関して、イスラム世界などのほかの国の人々と西側の文化との相互的な影響や結びつきという問題を指摘し、「この不適切な結びつきの影響を受けて、実際に、西側の文化で慣習となった過激な行動や性質の一部が、他の国の国民に強要されている」と述べています。

もっとも、おそらく初めのうちは、ISISのような犯罪集団が表面的にはイスラム諸国で、しかもイスラムの名で犯罪や過激な行動を行っていながら、それがなぜ西側の文化的中心から外に出たのかということは驚きに感じられるでしょう。明らかにこの疑問対する答えは、テロに視線を向ける中での西側の思想や行動の中に探るべきものです。これに関する研究や調査は、西側の若者よって行われるべき、最も重要な業務でしょう。これに関するはじめの問いは、テロに対する西側のダブルスタンダードに関するものであるべきです。なぜなら、西側の政策をダブルスタンダードが占め、テロがその支持者の見解において、中道派と過激派があるとして、西側で彼らが支援を受けている限り、この共通の痛みに対する共通理解にいたることはできないからです。

この考察における2つ目の疑問とは、西側がテロに対する一方的で恣意的な解釈に頼り、シオニスト政権イスラエルがパレスチナ人に対して行っている圧政、犯罪、テロを常に支持している一方で、なぜ西側の有識者は暴力の根源を常に別の場所に求めるのか、という疑問です。西側はイスラエルの犯罪を、テロや暴力的な行動、過激派の拡大とはみなしていません。しかし、占領者に対するパレスチナ人の合法的な防衛は、西側の政府関係者などの見解では、テロにあたるとされています。

このような行動や思想は、長年、西側社会における政治文化の一部となっており、次第に社会における暴力的な行動の傾向を強めています。この行動は今日、特にイスラム世界などの相対するほかの文化に抵抗しています。まさに問題は、テロの根源が西側の政策にありながら、西側自身をテロ対策における先駆者であるかのように示していることにあります。西側の政治におけるこの

ダブルスタンダードにより、過去数十年間で、嘘にまみれた内面があらわになっています。

西洋の行動や文化的規範には、暴力の拡大に向けた下地が用意されており、このような環境で安全と平穏を確立する方法を見出すのは非現実的です。この現実に注目し、ハーメネイー師の欧米諸国の若者に向けた書簡では、西側で暴力を生み出す思想を改め、性急な反応を避けることが、暴力と過激派の根源に対処するうえでの注意事項の一部であることが指摘されています。ハーメネイー師はこれに基づき、西側の若者に対して、正しい理解と苦い経験の活用により、イスラム世界との正しく栄誉ある交流の土台を築くよう求めました。

最高指導者の欧米諸国の若者に向けた2通目の書簡も、フランスで再びテロが起こった際に記されました。確かにイスラム過激派というグループがパリのテロを起こしましたが、この過激派組織は、西側の大国、とりわけアメリカによって作られ、強化されたものです。

ハーメネイー師の書簡における、西側の体制の思想的、道徳的基盤が崩壊に向かっているという現実の指摘は、欧米社会に大変多くみられる目撃証言に基づいています。西側の思想体系は、表面的には西側の観点による価値ある主張に基づき、自由、民主主義、人権、各国の国民の防衛といった魅力あふれるスローガンが入り混じっており、表面的には西洋の文明の配色を帯びています。しかし、これは表面的なものでしかなく、その内部では、真理ある内容は欠如しており、それは単に西側の政治的、プロパガンダ的な道具とされ、その目的とは、西側の価値体系が他の国のそれよりも優れているという吹き込みです。

いわゆる西側の価値体系を揺るがしている要素の一部は、西側で拡大しつつある道徳的、精神的危機です。これは、西側で人々、特に若者の間で、むなしさや精神的な安全のなさという感覚が拡大している明らかな表れです。こうした中、西側の家庭が揺らぎ崩壊しており、今や数十年前に始まった西側社会の女性の役割に対する見解としてのフェミニズム運動に対し、思想家や精神科医が疑問を呈しています。西側では、1つの価値観とされている同性愛を初めとする道徳に反する現象も、倫理体系を退廃に追い込んでおり、もはや西側の価値体系には、崩壊する運命しか残されていません。

政治的な面においても、西側の大国が民主主義や人権のスローガンを掲げていますが、ハーメネイー師は西側の若者に対して、「最も遅れた政治体制が、常に西側の同盟者の列に位置している中、地域の躍動的な民主主義から立ち上った、最も明らかで発展した思想は冷酷に弾圧されている」としています。この明らかな矛盾は、西側の政策の中に見られます。

一方、西側は、この矛盾とダブルスタンダードに対して、どのような答えを持っているのでしょうか。西側はパレスチナ、シリアなど、西アジアの危機の中心地において、過激派の支援以外にどのようなことを行ったのでしょうか。アメリカ同時多発テロ以来、西側やNATO・北大西洋条約機構の軍事勢力に対するアプローチは、テロ対策ではなく、テロや戦争、過激派の拡大となっており、これは西側が世界にもたらしたと主張する秩序と治安の確立において、西側が失敗したことを表すものです。最高指導者ハーメネイー師の欧米の若者に向けた書簡は、大いに考える余地のあるこのような問題に目を向けているのです。

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