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2016/01/04(月曜) 21:34

包括的共同行動計画の現状と結果

包括的共同行動計画の現状と結果

2015年7月のイランと6カ国の核協議は、イランでは2015年でもっとも盛んに伝えられたニュースとなりました。この協議は2013年11月24日のジュネーブ合意の枠内で開始されました。

 

最終的に、2年近くの紆余曲折を経て、イランの原子力外交は2015年7月14日、ウィーンで実を結び、イランと6カ国の協議は明白な結論に至りました。この合意の結果としての計画は、包括的共同行動計画と呼ばれたのです。

2015年の暮れにあたる12月15日、IAEA・国際原子力機関の理事会で決議が採択され、イラン核問題のPMD・軍事的側面の可能性の問題が終結したと報じられました。この決議内容は、イラン核活動の軍事的な側面の可能性に関する主張に基づいた、過去と現在の物議をかもす問題はすべて最終的に解決したとされました。この決議はIAEA理事会において全会一致で採択され、イランの過去の核計画に関する問題は永遠に終結しました。この決議の採択により、包括的共同行動計画の実施が始まり、対イラン制裁は解除されます。PMDはイランに対する多くの制裁や圧力、疑惑の理由とされました。

IAEA理事会は、2006年3月、イラン核問題を国連安保理に付託しました。その後、イランに対する6つの決議が出されました。国連安保理は国連憲章第7章のもとで出したこの決議の中で、イランのウラン濃縮計画を国際的な平和・安全保障上の脅威だとしました。一方、現在国連安保理は、決議を採択し、イランの核活動のすべての合法性を承認しています。

国連安保理のこの決議にもかかわらず、昨年の暮れ、IAEAの天野事務局長の最新の報告はまたも、ウィーンで開催されたIAEA理事会に対する疑念を含んだ形で提示されました。天野事務局長の報告は、完全に白でもなく、黒でもありませんでした。天野事務局長は最近、灰色の報告を出し、PMD問題の終結を宣言した決議に関して採決をとる前の最終報告で、IAEA理事国の35カ国に対して、彼の調査はイランの過去の核活動に関する詳細の全てを明らかにすることはできなかった、としています。

天野事務局長は事務局長在任中、イランと6カ国の核合意に基づき、過去と現在の問題を解決するためにイランとIAEAが最終合意を締結するまで、常に二面的な報告を提出し、何の証拠も存在しない主張を繰り返そうとしてきました。この主張は、一方に偏った政治的な目的で提示されたものでしかありません。

この問題は、最終的に、イランとIAEAの間のロードマップの実行の枠内で終結しました。このように、IAEA理事会が決議を採択することで、過去の決議は無効となり、イランに関するIAEAの業務内容は、新たな段階に入りました。包括的共同行動計画の実施に対するIAEAの監視は、IAEAの以前の責務、つまりイラン核計画のPMD問題に代わる責務となりました。

IAEA理事会の決議は、イランの核計画に関する過去の険悪なムードを払拭し、PMD問題は過去の歴史となりました。これにより、相互の信頼構築と尊重に基づいた協力の新たな下地を作り出し、一回で恒久的にイランの核計画に対する偽の主張の提示を終わらせることになります。この見解から、包括的共同行動計画は、集合知と努力による成果であり、これにより、イラン核問題の解決の道が作り出され、イランの核の権利がこの枠内で、正式に認定される要因となりました。

過去を見ると、欧米諸国の数カ国は12年以上、問題を作り出すことで、イランの平和的な核計画を脅威と見せようとしたことが明らかになっています。アメリカは始め、この主張をIAEAに提起し、その後、IAEA事務局長の報告を通じて、イランの核計画の懸念に関する主張という形で、国連安保理にこれを付託しました。

国連安保理常任理事国にドイツを加えた6カ国は、根拠のない主張に基づき、政治的な行動の中で、国連憲章第7章と国連安保理決議により、イランに対して不公正な制裁を課しました。実際、ウィーンの協議以前のアメリカの役割は、制裁や脅迫によりイランの核計画を完全に停止することでした。IAEAもイランの核計画を軍事的なものとして、この試みを後押ししました。

しかし、最終的な合意の締結は、イランの敵が意図するシナリオを無意味なものにし、それを国連憲章第7章の適用外とすることで、イランに対する脅迫を無効なものにしました。この合意は、シオニスト政権イスラエルのネタニヤフ首相がアメリカを何度も訪問するほど、イランの核計画に対するシオニスト政権のプロパガンダ活動をも混乱させました。彼は国連総会で消極的な反応を見せることで、この合意を妨害しようとしました。

核合意は、欠点や問題点はあるものの、イランに対する敵対的な一連の圧力と複雑な状況を考慮すると、それ自体、1つの成果であるといえます。国際法の観点から、イランは外交の枠内で、国連憲章第7章の適用外となることができ、同時に、自国の核の権利と、国連安保理の理事国の数カ国が反対していたウラン濃縮を継続する権利を獲得しました。この成果は、英雄的な柔軟さによる政治的勝利であり、イランの核活動の平和性に関するIAEA理事会決議は、この成果に客観性を与えました。

現在、包括的共同行動計画に基づき、イランは平和的な核保有国として、完全な核燃料サイクルとウラン濃縮の権利を持つ国とされています、イランの原子力関連のインフラは、維持されることになります。もっとも、信頼醸成のしるしとして、イランは核計画において期限付きの一部の制限を受け入れています。

このように、IAEA理事会はイラン核問題のPMD問題に関する調査の終了を宣言することで、対イラン制裁の終了に向けた重要な歩みを踏み出しました。遠心分離機の数と濃縮ウランの保有量の削減、アラーク重水施設の炉心の撤去などは、イランが合意の実行のはじめの段階として行う措置の一部です。包括的共同行動計画により、イランが保有する濃縮ウラン10トンと、イエローケーキおよそ200トンの交換が行われました。アラーク重水施設の再設計に関する公式文書も、締結された核合意により署名が行われました。

包括的共同行動計画は核問題の中での合意ですが、明らかに政治的、経済的に大きな影響を持っています。昨年のイランの政治・経済関係におけるこの変化の影響は、特に昨年の後半の数ヶ月の、ヨーロッパ諸国やアジア諸国の大規模な政治使節団や経済使節団のテヘラン訪問に現れています。

現在、イランに対する見方は、過去のそれとは異なっています。この変化は、イランの優れた地位とイスラム体制の前進を示す特別な意味を持っています。しかし同様に、イラン国民に対する敵対が終わっていないということを忘れるべきではありません。イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、包括的共同行動計画を枠組みにして形作られた協議の結果は、構造的な弱点やあいまいな点があり、正確な注意を怠れば、イランの現在と未来への大きな損害につながる可能性のある問題が多く含まれていると強調した形で、核合意は締結されています。これに関して、イラン国会の国家安全保障最高評議会は、政府がそれを考慮することが必須だと指摘しています。

核問題の今後に関する計画に関して、ハーメネイー師は、責任者は国会が承認した事柄を実施すべきだとしています。これに関して、原子力エネルギーの中期的成長を目的として実施し、国家安全保障最高評議会で、注意深く検討が行われるべきなのです。イランの原子力庁は、これに関して、諸側面における調査と開発を、今後8年間、包括的共同行動計画の中で、受容可能な濃縮活動に技術的な不備がないような形で組織化する義務を負っています。

ハーメネイー師はイラン国会で包括的共同行動計画が審理された後、ローハーニー大統領と国家安全保障最高評議会書記に書簡を送り、この義務について触れ、「テロや人権といった繰り返しの偽りの口実により、協議の相手側のいずれかの国によって行使される制裁はどのようなレベルであれ、合意への違反と見なされ、イラン政府は、国会で承認された第3条の規約に基づき、その活動を停止する義務がある」としました。

包括的共同行動計画という名のイランと6カ国の核合意は、政治アナリストの見解では、さまざまな結果を伴うことになるとされています。その最も重要なものは、NPT核兵器不拡散条約の強化と、イランとIAEA、核技術保有国の間の、原子力によるイランの生産物の商業化における、原子力協力の拡大だと指摘されています。イランの核の権利が世界の大国によって正式に認められたことで、地域的、国際的協力におけるイランの地位も向上し、イランは外部による多くの問題から解放され、国際的な政治協力、とりわけ地域の危機に関する協力の中で、その決定的な役割を果たすことになるのです。

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